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クルミットです♪
今回紹介するドラマは『燕雲台(えんうんだい)-The Legend of Empress-』です。
遼をメインの舞台としたドラマはこれまでそんなになく、この時代を描いた作品では「楊家将演義」を題材とした映画やドラマで、遼が北宋を脅かす悪役として登場してきました。また韓国ドラマ「千秋太后」では、高麗の敵キャラとして契丹の「蕭太后」という人物が登場してきますが、それが本作のヒロイン・蕭燕燕にあたります。
本作「燕雲台」は、五代十国から北宋時代にかけての悪役として配置されがちだった遼に脚光を当て、実在の皇后・睿智蕭皇后蕭綽を主人公に、短命だった夫・景宗を支え、息子・聖宗の摂政として国を支えた賢后の生涯を描いたものです。叶えられなかった初恋、そして夫との関係性などの蕭燕燕の人生を軸に、さらに遼の政治的な謀略を細かく織り込んでドラマ性を高めています。
また、后族である蕭家の三姉妹それぞれのキャラクターの対比がドラマの大きなポイントとなっています。それぞれの人生の選択によっての変動を支え合いつつも、時に恨みあうほどに敵対する姉妹の生き様を描き出し、濃厚なファミリードラマとしての一面も見応えがあります。
契丹の独特な習俗も目を引き、漢族の各王朝や元・清朝とはまた異なる髪型や服装など文化も興味深く新鮮です。これまで触れられることの少なかった遼の文化の中で濃密に展開する人間ドラマを、ティファニー・タンの輝くような笑顔にのせてご堪能ください!
ここでは『燕雲台(えんうんだい)』のあらすじやネタバレ感想、見どころ、最後の結末、といった話題を紹介していきます!華麗なるチャン・ツィイーの世界を堪能しましょう♪
もくじ
燕雲台(えんうんだい) あらすじ
丞相である王藺の娘・王儇は、美しく才気煥発で、伯父である皇帝・馬曜から「上陽郡主」の名を授かり、周囲から愛される存在として育つ。その一方で王儇は皇后を排出している琅琊王氏の娘のため、彼女の婚姻は皇位の行方を左右すると考えられていた。そうとは知らない王儇は第三皇子の馬子澹と愛を育んでいたが、その想いは政治的な思惑によって引き裂かれようとしていた。その頃、北西の辺境寧朔では寧朔軍を率いる将軍・蕭綦が、死闘の末忽蘭王を討ち取り、そのことで蕭綦は、寒門出身には異例の豫章王として冊封される。王儇と蕭綦は、互いの行く末を知らぬまま、灯篭祭の夜に運命的な出会いをする…
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40話-41話-42話
43話-44話-45話
46話-47話-最終回(48話)
韓徳譲役のショーン・ドウ(竇驍)は、2011年にチャン・イーモウ監督の映画「サンザシの樹の下で」に抜擢されてデビュー、「楚喬伝~いばらに咲く花~」では燕北の世子・燕洵役、「海上牧雲記 3つの予言と王朝の謎」では帝王になる予言のもとに生まれた穆如寒江役など古装劇以外にも「十年三月三十日〜その愛、時をこえて〜」「あなたを見つけたい~See you again~」などの現代劇でも活躍しています。
耶律賢(明扆大王)役のジン・チャオ(経超)はこれまで「魔都風雲」など数多くの出演作がありますが、「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」の侍衛・凌雲徹役や「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」の傅筹役で、どこか屈折した陰のある役柄がはまって人気を博しています。
今回メインとなるこの三人を紹介しましたが、この人も、いやこの人も紹介しなくていいのかと思うほどに、他のドラマなら主役級の魅力的なキャスト陣が目白押しなので、ぜひとも顔ぶれもチェックしながらご覧ください。
燕雲台(えんうんだい) 評価・レビュー
中国ドラマ「燕雲台(えんうんだい)」の評価レビュー&感想です。
ストーリーの良し悪し、出演者の演技力、物語の展開、脚本の面白さなどを総合的に評価しています。
もちろん、レビュー&感想の中にも作品に関するネタバレがありますのでご注意ください♪
ネタバレを表示する
「燕雲台」の舞台となる遼は、契丹人の国として起こり、同時代の北宋と南北で争いながら200年間栄えましたが、これまでは北宋をおびやかす敵として描かれがちでした。「楊家将演義」や「水滸伝」でも、遼は北宋や梁山泊に対し敵対する存在でした。
しかし、昨今の少数民族政策のおかげか、遼を舞台として描く魅力的な作品が誕生することになりました。ただ遼を積極的に推しているポイントは「漢制のおかげで国を繁栄させ、漢人の重用により新政が進んだ」というところなのかな~と思ってしまいますが、これまでなかなか見ることのなかった胸の前で手を組む礼から服飾や髪型、儀式などまで異文化に触れることができたのは楽しい体験でした。
本作は、スーパー皇太后・蕭燕燕の一代記であるとともに、三姉妹それぞれの人生の選択を描いた物語でもありました。皇后を輩出する役目を担う「后族」である蕭家に生まれた三姉妹は、結婚相手に誰を選ぶかが国の行方を決するという存在です。抑制的で責任感の強い長女・胡輦は、彼女にまとわりつく「家族への責任」の影に人生を支配され続けますが、恋愛体質でシンプルな次女・烏骨里はとてもわかりやすく欲望に忠実でした。
三女の燕燕が明扆に見初められて皇后となったわけですが、三姉妹それぞれに自らが望んで手にしたもの、義務感から受け入れたもの、奪われたもの、失ったものがさまざまに交錯し、姉妹だから許しあえることと、姉妹だからこそ許せないことの業が巧みに描かれていたように思われます。
そして燕燕を演じていたティファニー・タンは、序盤の少女時代では輝くような笑顔があふれ、猪突猛進でやりすぎることの多い燕燕をチャーミングに演じました。結婚後大人の女性になり、摂政として冷徹に国を差配していく中で、かつての笑顔は失われたものの、決断を下す時の瞳の冷たい透明感が美しく、ひとりの劇的な人生の変化を説得力たっぷりに魅せてくれました。燕燕を奪われながら、臣下としてパートナーとして生涯支え続ける徳譲を演じたショーン・ドウも、燕燕を見初めて摂政皇后に育て上げた明扆を演じたジン・チャオも、燕燕の突っ走るキャラクターをそっとサポートして、抜群の配置でトライアングルを形成していました。その周囲を固める脇のキャラクターも個性的で、隅々まで行き届いた人物描写が物語のリアリティを支えていたように見えます。
遼の歴史は骨肉の争いの歴史と言ってもいいほどで、男たちが血で血を洗う熱い戦いを繰り広げていましたが、血の気の多い男たちをしり目に、契丹の女たちは負けていません。馬や弓矢を自在に操り、「契丹の女子は自分で決める」という言葉が象徴するように、さっぱりした気性で言いたいことを言い、自分の意志で行動するのが契丹女子なのでしょう。
その頂点に立ちながら一番大事なことを自分で決められなかった燕燕ですが、最後の最後に自分で決める力を手にし、誰にも文句を言わせない終幕を演出したのですから、契丹女子、やはり強いです。骨肉の争いを繰り返しながらも見終わった感じがどこかさらりとしているのは、契丹女子を育てた草原の力のなせるわざでしょうか。燕燕の強い意志の力が全体を貫いて、見る側にパワーを与えてくれる一本だったと思います。
燕雲台(えんうんだい) キャスト・登場人物
中国ドラマ『燕雲台(えんうんだい)』のキャスト&主な登場人物一覧です。
主人公(ヒロイン)から脇役まで、登場人物の詳細をリストでご紹介します!。
主演俳優・女優および共演者情報など、出演者プロフィールが一目でわかります。
<蕭燕燕役・唐嫣(ティファニー・タン)>
蕭燕燕は、后族である蕭宰相家の末娘として天真爛漫に育ち、韓徳譲と恋に落ちながらも引き裂かれ、遼のために摂政皇后として生涯を捧げました。ティファニー・タンは燕燕という難しい役柄を、前半の輝くような笑顔から、後半は威厳に満ちた女帝の顔で、病弱な夫に代わって心ならずも国を背負った燕燕の苦悩を演じ切りました。
ティファニー・タン(唐嫣)は、チャン・イーモウ監督に見いだされてアテネ・オリンピックの閉会式に立ったことで注目され、「夏家三千金」でブレイク、「金蘭良縁」の玉麒麟役の天真爛漫さから高い人気を獲得しました。「ダイヤモンドの恋人」と「王女未央-BIOU-」で共演したルオ・ジンと2018年10月に結婚、2020年8月に第一子を出産し、本作が復帰作となります。ショーン・ドウとは「あなたを見つけたい~See you again~」でも共演しています。次に控えているのが、60年代の上海を描いたフー・ゴー主演の「繁花」なので、日本での公開が期待されます。
<韓徳譲役・竇驍(ショーン・ドウ)>
契丹人の国の中で漢人として差別されつつもその才を認められ、しかし信頼する明扆から恋人を奪われてもなお、生涯にわたって燕燕を支え続けた韓徳譲は、かなり耐えることの多い役柄です。ショーン・ドウは役柄の引き出しの多い俳優ですが、前半の情熱的な徳譲と、後半の常に一歩引きながら存在感を示す徳譲の変化が素晴らしかったです。
2011年にチャン・イーモウ監督の映画「サンザシの樹の下で」に抜擢されてデビュー、「楚喬伝~いばらに咲く花~」では燕北の世子・燕洵役、「海上牧雲記 3つの予言と王朝の謎」では帝王になる予言のもとに生まれた穆如寒江役など古装劇以外にも「十年三月三十日〜その愛、時をこえて〜」「あなたを見つけたい~See you again~」などの現代劇でも活躍しています。
<耶律賢(明扆大王)役・経超(ジン・チャオ)>
幼い時に父・世宗の暗殺を目の当たりにした明扆は、帝位奪還を計画しつつも、虚弱のため、治世を支える賢后を求めます。それで親友である徳譲の許婚・燕燕を奪ったことが生涯明扆の負い目となり、燕燕と徳譲を信じつつも、常に策を弄し続けるという屈折した人物像が、ジン・チャオの得意とする影のある役柄にぴったりはまっていました。
ジン・チャオ(経超)はこれまで「魔都風雲」など数多くの出演作がありますが、「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」の侍衛・凌雲徹役や「白華の姫~失われた記憶と3つの愛~」の傅筹役などで人気を博しています。ますます出演作も増え、「血盟千年」という主演作や、「山河令」でブレイクしたゴン・ジュン主演の「沉睡花园」などの出演作も控えているので、これからの活躍が楽しみです。
<蕭胡輦役・佘詩曼(カーメイン・シェー)>
蕭宰相家の長女として産まれた胡輦は、家と妹たちを守るという責任感を背負って自分を抑えがちなため、罨撒葛との望まぬ婚姻を受け入れ、家族に振り回される人生をおくることに。カーメイン・シェーが演じてきたのは知的で抑制のきいた役柄が多く、三姉妹をまとめ、蕭家を支える胡輦もまたはまり役となりました。
これまで「紫禁城 華の嵐」では嘉慶帝の後宮に上がる爾淳(イーソン)役をはじめ、「フビライ・ハン」ではフビライの妻・チャブイ役、「瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」では乾隆帝の皇后となる嫻妃役、「君、花海棠の紅にあらず」では程鳳台の妻・湘児役などを演じ、その役ごとに強い印象を残す女優です。
<蕭烏骨里役・盧杉(ルー・シャン)>
蕭宰相家の娘を手にすることで帝位の後ろ盾を得ようとする喜隱の野心につられつつも、自分もまた皇后になりたいという野心の虜だった烏骨里は、思うようにならなかった人生を燕燕への復讐で破滅的に締めくくりました。ルー・シャンをこの役で知る人も多いのではないかと思いますが、激しく生き急いだ烏骨里役は、見る者に強烈な爪痕を残しました。
2012年デビューで、三姉妹を演じた中では実は一番年下です。日本で見られる作品はドラマだと「琅琊榜」で靖王の妃となった柳氏役だけで、登場はわずかですがしっかり存在感を示しています。他には元EXOのクリスと元SUPER JUNIORのハンギョンが共演した映画「すれちがう青春」で、二人のイケメンから愛されるヒロインを演じています。
<蕭思温役・劉奕君(リウ・イージュン)>
三姉妹の父・蕭思温は前半で姿を消しますが、時に厳しく時に慈愛に満ち、政治家として計算高い一面も垣間見せつつ、改革への情熱を見せる蕭思温の存在感は圧倒的でした。
「琅琊榜」の深みのある悪役・謝玉役で知られる劉奕君は、他に「酔麗花~エターナル・ラブ~」「扶揺(フーヤオ)~伝説の皇后~」など、多くの作品の幅広い役柄で存在感を示しています。皇帝役を演じた「剣王朝」では、息子のリウ・イートン(劉怡潼)と親子役で共演を果たしています。今後も出演作品が目白押しなので、活躍を期待したいですね。
燕雲台(えんうんだい) 基本情報
放送局: 北京卫视
原題 : 「燕云台」
中国放送開始日: 2020年11月3日
話数 : 全48話
原作・脚本:ジャン・ションナン(蒋勝男)「ミーユエ 王朝を照らす月」
監督 :チャン・カーチュン(蒋家駿)「射鵰英雄伝 レジェンド・オブ・ヒーロー」