燕雲台(えんうんだい)-あらすじ-13話-14話-15話-感想付きネタバレでありで!

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クルミットです♪

只没が次期帝位を狙って不用意に皇族に接触を図り、耶律璟と罨撒葛から目をつけられたことで、只没と安只の関係が暴露され、只没は宮刑に処されます。明扆にとっては人皇王系の存続の危機であり、これまで耐えてきた一線を超える出来事になります。

今回は、徳譲も知らない明扆の一面が垣間見え、病弱でおとなしいだけではない明扆の冷徹な本性が表面に出てきます。明扆の周到さはこれまでもチラ見えしていましたが、これまで準備されてきたことが一気に畳みかけられていく展開は目を見張るようです。
特に15話、息をのむような緊迫の一夜の流れは秀逸です!

【燕雲台-The Legend of Empress-】(ネタバレあり)

第13話「果たされた約束」

明扆は安只を呼びつけ、誰の差し金で只没を陥れたかと問い詰め、安只の気持ちが本物なら、どんな方法でも只没を生かすようにと命じる。生きる気力を失った只没に、安只は必死に説得して薬を飲ませることに成功する。
明扆怖っ。彼が虚弱モードではなく、珍しく本性を露わにした場面でしたね

明扆は燕燕と会う約束をしていた衡山酒楼に、外出禁止時間をおして出かけていくと、燕燕は待っていてくれた。燕燕は宮中でのことを聞いて戻ってきていたのだ。明扆は酔った勢いで燕燕に本音をさらけ出す。その夜、明扆は祥古山の乱の夢を見ていた。明扆と徳譲はあの日祥古山の祠堂に隠れていて、世宗が殺されるのを見ていたのだった。十数年ぶりの熟睡から目覚めた明扆は、燕燕がもたらしてくれた安らぎをかみしめる。
実際のところ燕燕は、明扆との約束をすっかり忘れて帰宅していたわけですが♪

安只の尽力で只没は回復する。徳譲は内心、今回のことは只没への罰ではなく、耶律璟から明扆への警告であり、自分が明扆を支えることで燕燕を巻き込むのではないかと案じる。燕燕は婚姻の延期などせず、徳譲が見込んだ人を支えると断言する。
耶律璟は明扆には表向き優しいですが、警告だという徳譲の読みは多分当たっています

只没は明扆に安只との婚姻を願い出る。安只は王妃になるため宮中を去るが、他の宮女たちから罵詈雑言を浴びる。罨撒葛は安只に塔布という侍女をあてがい、後ろ盾になろうと言う。さらに罨撒葛は胡古典の夫にも身寄りのない楚里という男を仕立てていた。
明扆は安只の黒幕を疑っていましたが、結局黒幕ができてしまいましたね…

明扆は韓匡嗣に相談し、病を理由に耶律璟の勧める婚姻を断り、療養目的で宮中を出られるよう画策する。その会話の中、明扆は韓匡嗣から「徳譲が燕燕との婚姻の準備で忙しくしている」と聞かされる。只没と安只、胡古典と楚里の婚姻の最中、明扆は突然倒れる。
韓匡嗣は明扆に「それっぽく倒れる」ように見える薬を盛ったのでしょうか

罨撒葛は明扆のために「婚姻で病を治す」という漢人の風習を持ち出すが、明扆は相手が不憫だと断る。韓匡嗣が郊外の離宮での療養を進言し、耶律璟は許すものの、罨撒葛は明扆の真意を疑い、明扆に養子をあてがうことで三支の掌握を画策する。
罨撒葛と明扆の化かし合いが熾烈です。妻にすら本音を見せない罨撒葛エグイです

明扆は離宮に居を移し、蕭思温になるべく早く会えるよう徳譲に手配を頼む。明扆は徳譲に「国家と愛する女子はどちらが大切か」と問いかける。「国家」だと即答した徳譲は、明扆の真意に気付かず、明扆の天下のためなら自分を犠牲にしてもかまわないと断言し、二人は改革への道を共に歩むことを誓う。
明扆ったら卑怯… 大業の前だから、「燕燕を奪ってもいいか」とは問わないのですね

烏骨里の懐妊がわかり、喜隱は舞い上がって喜ぶ。しかし烏骨里が周囲に報告しようとするのを止め、固く口止めをする…
おお、おめでたい! でも、烏骨里の妊娠でさえ高度に政治的な案件なのですね

第14話「皇后の座」

喜隱は侍女や侍医に烏骨里の懐妊を口止めし、耶律璟から子供を狙われないよう先手を打つのだと言う。烏骨里は怯えるが、喜隱は燕燕になら打ち明けてもいいが、胡輦には伏せるようにと用心させる。烏骨里は燕燕の馬球の誘いを断り、身ごもったと打ち明けるものの胡輦には言うなと口止めする。
一方には打ち明けて、一方には伏せるとか、三姉妹の関係に溝が入ってしまいますね

燕燕は、徳譲が明扆を次期皇帝と考えて政策を立案しているのを見て、自分も協力したいと言って徳譲を心配させる。命がけで事を起こす徳譲は万一のことを考えるが、燕燕はいくらでも待つと覚悟を見せる。二人は婚姻に向けて思いを膨らませる。
二人が幸せそうであればあるほど、この先の展開は気が重いです…

明扆は漢人の書生の扮装をして密かに蕭家を訪れるが、燕燕が見かけて声をかける。漢制の推進を説く燕燕を、明扆は「述律太后のようになれる」と誉める。明扆と蕭思温は乱君の生み出す混乱を阻止するための計画を語り合い、明扆は自分が勝った場合は優れた皇后が必要だと、燕燕との婚姻を切り出す。それは皇后を輩出していない蕭宰相家にも機会をもたらすことになると…
明扆は蕭思温にとっての弱点=皇后の輩出をつついてきましたね

蕭思温にとって明扆の指摘は本音を射抜かれていた。しかし燕燕が徳譲に嫁ぐのを心待ちにしているのを見て、心痛を抑えつつ燕燕に「去らぬ苦難はない」という言葉を授ける。三姉妹の中で最も母親に似た強い娘に、蕭思温は自分の希望を託すことに。
蕭思温は燕燕を犠牲にすることを決心したのですね…

狩りに出かけた耶律璟は、眠りを妨げた近侍の白海を処刑し、処刑から目を背けていた随魯の耳を切り落とす。その白海が、自分の護衛の楚補の義兄だと知った明扆は、「ついにこの時が来た」と喜ぶ。明扆が楚補の寝返りを確信しているのを見て、あまりの時機の良さに徳譲は思わず「白海の死に関わっていたのか」と聞くが、明扆は否定する。
いや~絶対明扆は関わっていたと思いますよ♪

徳譲が帰った後、明扆は密かに劉梓固という人物を訪ねる。劉梓固の父は明扆の恩人だったため、明扆がずっと世話をして、15歳の時から敵討ちのために耶律璟に仕えてきた人物だった。復讐を焦る劉梓固に、今は指示を待つようにと明扆は言う。
この人物が、白海が処刑されるような何かを仕込んだような気がしないでもないです

燕燕は胡輦を訪ねて宮中の様子を聞くが、胡輦から見ると罨撒葛が明扆兄弟のことで走り回って疲れているのが心配だった。燕燕は耶律璟の悪政をはっきりと批判し、今のままでは罨撒葛もいずれ人心を失うと断言する。胡輦が罨撒葛寄りで耶律璟を擁護するのを見て、燕燕は「嫁いだとたんあちら側に回った」と非難するうち、烏骨里の妊娠を白状させられる。
やっぱりバレましたね。燕燕に対して胡輦に言うなと口止めするのが無理なのですよ

燕燕は胡輦の変化が悲しくなって徳譲に愚痴る。徳譲は「我々の計画を胡輦には言うな」と釘を刺し、捺鉢の黒山で計画を決行すると打ち明ける…
さすがに燕燕はこの計画は漏らさないでしょうけれども…大丈夫?

第15話「黒山の攻防」

黒山での計画が監視役から漏れるのでは、と心配する燕燕に、徳譲は明扆が監視役を懐柔するのだと安心させる。まさに監視役の楚補が、義兄の白海が自分の代わりに殺された恨みから明扆に寝返っていた。あまりに時期よく白海が殺されたことに燕燕は疑念を抱くが、明扆を心から信じる徳譲はそれを打ち消す。
燕燕はいいカンしていますね。徳譲が明扆の本性を知る時はどうなってしまうかな

冬捺鉢の黒山の狩場。耶律璟は狩りに出たものの、獲物がいないと怒りを爆発させ、近侍の者たちを矢で射始める。従者たちは不満が溜まっていたところに、楚補がやってきてさりげなく反抗をそそのかす。従者たちは刀をしのばせて眠る耶律璟を殺そうとするも失敗、しかし兵の中にいた劉梓固が耶律璟を殺害する。
随魯たちが捨て石にされたような、何か計画が周到以上に冷酷なものを感じます

黒山に随行していた女里、蕭思温、韓匡嗣が相談し、「祥古山の轍を踏んではならない」として、皇帝崩御を伏せて明扆を耶律璟の霊前で即位させることに。上京にいる明扆に伝書鳩で「成功」の文が届けられ、すぐさま黒山に向かおうとするが、都の門は罨撒葛の令牌がないと通れなくなっていた。そこで徳譲は燕燕に令牌の入手を頼む。
事前の相談があったわけでもない三人が、突然の有事になんとも息の合ったプレイ♪

事情を察知した燕燕は太平王府に行き、胡輦に「花嫁支度に義兄上の持っている書物が欲しい」と頼んで罨撒葛の書斎に入り、こっそり通行令牌を盗み出す。「戻ったら婚礼を挙げよう」と約束し、燕燕は紫の紐を徳譲の手首に結んで送り出す。明扆と徳譲は無事門を突破するが、一方で罨撒葛のもとへも密書が送られていた…
烏骨里の時よりは燕燕の方が、令牌の盗み方に芸がありますよね

二人は韓匡嗣が用意した護衛と合流し黒山へと急ぐが、その頃喜隱の元にも耶律璟暗殺を知らせる密書が届く。喜隱は都の門を強行突破しようとするが、関門の外で兵に囲まれる。喜隱の行動は罨撒葛に知らされるが、そこに黒山の異変の知らせも届く。明扆がいないとわかり、罨撒葛は喜隱を捕らえさせると共に、自ら黒山へ向かい明扆を連れ戻そうとする。
喜隱は準備がなく後手後手ですね。三者の距離を超えた情報戦の凄まじさを感じます

馬で駆け続けた明扆の体は限界に達し、徳譲が明扆を抱えて黒山へと向かう。罨撒葛の兵もそれを追うが、明扆が先に黒山に到着し、それを高勲が迎える。何も知らない虎古を始めとする朝臣が急遽行宮の朝堂に集められ、蕭思温から昨夜の陛下崩御を告げられる。
ここで高勲の懐柔が効いてくるのですね♪ 明扆はツボをおさえていますね~

その頃罨撒葛は黒山の行宮に到着するが、すでに行宮は服喪の支度がなされていた。兄の死を知った罨撒葛は兵で強行突破を試みるが、高勲の兵に阻まれる。罨撒葛の足が止められている間、蕭思温は耶律璟の遺勅により明扆を即位させ、明扆が遼の第五代皇帝の座につく…
まさかまさかの遺勅の捏造まで?それは後から問題になりませんか??

13~15話の感想

燕燕が明扆の闇の部分に気付きかけた時、徳譲が明扆を評して「虫も殺さない」と言っていたのですが、虫も殺さないような男は皇帝の座には向かないし、そもそも間違っても皇帝を目指さないと思います。実際の明扆はその手が血にまみれても顔色一つ変えないような冷徹さを裏に隠しており、その本性を知られたら、徳譲が自分から離れてしまうという計算ができる男でもあります。
15話のラストでとうとう即位に成功した明扆ですが、そこに至るまでの周到な計画は目を見張るものがあります。虚弱アピールで周囲を油断させておいて、蕭思温、韓匡嗣、高勲と取り込む人物もポイントを押さえ、劉梓固というとどめを準備しておくのはさすがです。

それでもまさかの明扆の即位だったわけですから、新帝の王朝は荒れるでしょうね…
毎度毎度代替わりごとに発生するゴタゴタは、ひとつには漢制推進派と守旧派の争いが根本にあることが原因なので、国の根幹をなすイデオロギー争いで双方譲れないものがあります。そしてもうひとつには三支の正統性争いです。明扆が蕭思温に語ったように、その争いをこれで終わりにして帝位を安定させようとすれば、どうしても他の二支を排除する必要があるわけですが… 罨撒葛と喜隱が黙って引き下がるわけもなく、その妻である胡輦と烏骨里を見捨てた格好になる蕭思温の選択というのがかなり厳しいことになりそうです。
ちょうど黒山へ向かう明扆、罨撒葛、喜隱の三者三様の負けられない戦いが、緊迫しつつも実に面白く、それぞれのキャラが出ていたように思います。

そして、娘二人の婚家をさらりと見捨てた蕭思温が、燕燕の幸せをぶっ潰してでも蕭宰相家から皇后を出す夢を燕燕に負わせる選択を、明扆の即位に託したことになります。徳譲も燕燕も、自分達が何に手を貸しているかまだ気づいていないわけで… これはかなりつらいことになりそうです。徳譲がこの先、「大業と女」の択一をほのめかした明扆の言葉の意味に気付く日が来たら、明扆を絶対に許さないのではないかと思います。

ところで、燕燕が落としていった玉佩、まだ明扆は返していないですよね。あと肖像画の存在を燕燕が知るのはいつになるのでしょう。明扆が心から燕燕を愛して求めたのだという証を知るのがどのタイミングになるのか、この先がなかなか楽しみになってきました♪

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