燕雲台(えんうんだい)-あらすじ-46話-47話-最終回(48話)-結末は!?

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クルミットです♪

烏骨里が燕燕への復讐に失敗して自害し、燕燕と胡輦の関係には決定的なひびが入ってしまいました。斡魯朶と共に北方に居を移した胡輦には新しい出会いがありましたが、燕燕は徳譲の重用に反発する勢力の存在に、依然として悩まされることに…

今回はとうとう最終回、遼のという国に人生を傾けてきた摂政皇太后・燕燕の集大成です。国の安定をおびやかす不安要素を次々と排除してきましたが、最後に燕燕の前に立ちはだかるラスボスは誰になるのか、最後まで思いもよらない展開が待ち構えています。燕燕がその手に得たもの、失ったものすべてを、最後まで見届けていきましょう。

【燕雲台-The Legend of Empress-】(ネタバレあり)

第46話「果たされた誓い」

菩薩哥と隆緒は周囲に内緒で文を交わしていた。燕燕は菩薩哥の立后を考え、子供世代の結婚という時の流れに、自分たちの時間を取り戻したいと考える。しかし虎古は菩薩哥の立后に「韓徳譲の姪が皇后になる」と危機感を持つ。
燕燕の菩薩哥お膳立てがさりげなさすぎて、虎古くらいしか気付いていないという…

朝議で、虎古と賛同者は燕燕の隠居を求める集団上奏を行う。燕燕は「年若い隆緒を傀儡にするつもりか」と激怒し、徳譲の重用に対する賛否で朝堂は紛糾する。磨魯古が燕燕と徳譲の関係に言及して捕らえられ、隆緒は燕燕と虎古の双方を立てて決着させる。
磨魯古も個人的な恨みをずっと引きずっているようにしか見えないですからね~

胡輦は撻覧阿鉢を斡魯朶に連れ帰り、将軍として紹介する。撻覧阿鉢は無邪気に喜び、胡輦を守ると約束するが、罨撒葛の時から長く仕えてきた高六は突然の事態に不満を押し殺す。
ああやっぱり… その不満を解消するには、撻覧阿鉢はピュアで何も考えていない…

虎古たちは朝堂で武力による奸臣排除を宣言し、禁軍との戦いになる。燕燕への攻撃を徳譲が盾となって守り、反撃で虎古は命を落とし、生き残った者たちは草原に追放される。燕燕は徳譲にいっそ一緒になり正々堂々と皆の前に立つべきだと言う。
燕燕が名乗った「蕭綽」という名を覚えていますか?徳譲が燕燕につけた漢名でしたね!

燕燕は婚儀の準備を進め、花嫁行列を仕立てて徳譲のもとへ嫁入りを果たす。行列には文武百官が付き従うが、休哥と達凛は何かあれば動こうと決意していた。徳譲は婚儀のことを知らなかったがそのまま従う。異議をも押し切り、徳譲に耶律姓を与えて皇族に加え、朝堂での跪拝を免じるという宣旨に一同は唖然とするが、隆緒が婚姻に祝意を示して受け入れたことで誰も何も言えない。二人はようやく結ばれる…
無断で押しかけ花嫁っていうだけでもすごいのに、もうやりたい放題。皇太后最強!

南朝に新帝(真宗)が誕生し、朝臣には出兵の声が高まる。隆緒は北を守る胡輦の国阿輦斡魯朶の加勢を提案するが、そこに「胡輦が馬丁を寵愛している」という噂が上奏される。燕燕は、存在感を増す斡魯朶を胡輦から奪おうとする隆緒が噂を招いたと見抜くが、胡輦の説得のため燕燕と徳譲が赴くことに。
隆緒が大人になってかわいさがなくなり、いまだに重い母の圧に反抗ぎみですね♪

久々の姉妹の再会は和やかだったが、燕燕は胡輦に上京に帰ろうと誘いをかける。そこに撻覧阿鉢が現れ、燕燕への礼を欠く態度に一同は不安を感じるが、燕燕は不快さを抑える…
胡輦の配下の者たちがハラハラしていそうです。そりゃ噂も流れるわという…

第47話「太后の悲願」

燕燕から南征に斡魯朶の貸与を打診され、胡輦はその軍を撻覧阿鉢に率いさせてはと提案するが、燕燕が断り、雲行きが怪しくなる。撻覧阿鉢は南方への出兵をごねるが、自分たちを守る力が欲しい胡輦は南方で功を立てて欲しいと願う。
胡輦の焦りは、かつてそれと同じことで、明扆が韓匡嗣で失敗した記憶がありますね

燕燕は胡輦と二人で少女時代のように語り合い、上京に戻って助け合おうと勧める。胡輦は上京に戻る決心をするが、撻覧阿鉢は話を盗み聞きし、そのまま胡輦が北方に戻らないのではと不満を抱く。それでも胡輦の出発の日、撻覧阿鉢は共に上京に向かう決心を固める。
胡輦と撻覧阿鉢は、互いの愛のために無理を重ねて自滅しそうな予感しかしません…

燕燕は南征の命を下し、隆緒も親征することに。燕燕は病の休哥を見舞い、この南征は和議によって南北の対立解消を目的にしていると語って、休哥を安堵させる。
遼は順調に攻め進めていたが、達凛の戦死の報に陣営は動揺する。そこに休哥の訃報も入り、燕燕は戦況の悪化のため和議の方向へ舵を切ることに。
燕燕支持の二大巨頭が… ここまでお疲れ様でした…

燕燕は、南朝から帰順して戸部侍郎となっていた王継忠を、和睦の使者に任じて送り出す。王継忠は燕燕の期待に応えて和議に力を尽くし、両国は25年にわたる戦いを終わらせ、統和22年、和議を締結させる。この盟約を「澶淵の盟」と呼び、120年にわたる平和の時代が幕を開ける。胡輦が上京に向かったと聞き、すべての不安が消えたことで、燕燕は隆緒に政を任せようと考える。
「120年」というのは遼が滅ぶまでの期間をさすので、ちょっと物悲しいものが…

燕燕と隆緒は上京に戻ったため宴を開く。宮中に住んでいる胡輦と撻覧阿鉢も、自分たちへの批判を封じるため出席することに。隆緒は国阿輦斡魯朶の活躍に感謝しつつも、燕燕に相談なく斡魯朶の分割を切り出し、激高した撻覧阿鉢が燕燕に食ってかかったため、胡輦が自ら彼を鞭打つことでその場を収める。国阿輦斡魯をめぐる問題は限界に達し、胡輦は再び北方に戻ることを考える…
わざと撻覧阿鉢を挑発しているように見える隆緒は、悪い意味で父親似ですね♪

第48話「国土と結ばれた運命」

兵権の集約が進む中、国阿輦斡魯朶だけが返還されず、しかも撻覧阿鉢が宮中に住んで無礼に振舞って非難が高まり、見過ごせない事態になっていた。燕燕は胡輦を説得するつもりだったが、胡輦は北方への帰り支度を始めていた。そこで撻覧阿鉢が隆緒を襲うという事件が発生してしまう。
なるべくしてなったとしか思えない撻覧阿鉢の暴発ですが、燕燕も胡輦も甘いですよね

胡輦は斡魯朶と引き換えに撻覧阿鉢の助命を嘆願するが、隆緒も燕燕も許すつもりはない。楚補は撻覧阿鉢を拷問し、胡輦からの命の有無を聞き出そうとするが、胡輦が天牢を破って救出し、高六が楚補を殺して城門を突破する。胡輦たちの逃亡はすぐに伝えられ、徳譲は蕭継先に胡輦を生きて連れ戻すように命じる。
楚補も序盤からずっとここまで地味に頑張ってきたのに、あんな最後なのですね…

胡輦たちは自分たちの城に逃げ戻るが、継先が追ってきて「降伏すれば殺さぬ」と迫り、応戦することに。胡輦は次第に追い詰められ、撻覧阿鉢を連れて逃げようとするが、兵に囲まれ、とうとう撻覧阿鉢も命を落とす…
あの蕭思温の墓に詣でた少年が成長して大軍を率い、戦う相手が姉の胡輦とは…そして胡輦は二度も愛する男に「生きろ」と言われながら腕の中で看取る羽目に…

連れ戻された胡輦は心を閉ざし、「家族の情を捨て、天下のことしか頭にない」と燕燕を拒絶し、斡魯朶の兵符を返却する。群臣たちからは胡輦の死刑を求める奏状が山のように出されていたが、燕燕は悩んだ末、胡輦の永久幽閉を命じる。
燕燕はこれまでだって家族の情を十分優先してきたと思うのですが…

統和27年、燕燕は隆緒=聖宗に実権を渡し、摂政の座を退く。すっかり老けこんだ燕燕は体調を崩して記憶も不確かになり、とうとう倒れてしまう。枕元に家族があつめられるが、燕燕は「大姉上」と胡輦を呼ぶ。死期を悟り、覚悟はできている燕燕だったが、たったひとつの気がかりを徳譲に託す。
燕燕はこの時56歳です。老け込みすぎ!子供たちはみんな大きくなりましたね~

幽閉中の胡輦は鍛錬の日々を送っていたが、そこに徳譲が訪ねる。胡輦は、燕燕の死期が近く、自分の存在を案じて徳譲を遣わしたことを悟り、徳譲にこれまでの鬱屈のすべてをぶつける。胡輦は徳譲が自分に死を与えに来たと思っていたが、燕燕が伝えたかったのは「今生、姉妹でいられて幸せだった」という思いだった…
徳譲と胡輦は似た者同士だったのでしょうか。胡輦が父にかけられた「蕭家を守れ」という枷に自分を縛らなければ、きっと違うものを成しえたのではないでしょうか…

燕燕はひとり燕雲台に佇んでいた。18歳のあの日、胡輦に連れ戻されたことで国土と固く結びつけられた運命から、愛する人たちは次々と離れ、今、傍に徳譲がいるだけに。二人は人生に悔いなしと、共に築き上げた遼を見下ろすのだった。統和27年12月、燕燕は病により逝去。15か月後、徳譲も病で世を去り、燕燕の隣に埋葬された…
第1話冒頭に戻りましたね!あの時孤独かと思った燕燕の隣に徳譲がいてよかった…

46~48話の感想

燕燕は最後の最後に、徳譲とのサプライズ結婚をぶちかましました!もう誰も文句を言えない状況まで持ち込んで、文武百官引き連れて、よくやりますね♪「皇太后の彼氏」に関しては、子供まで作ったミーユエという例がありますが、正式に結婚したというのはさすがにフィクションですよね…でも、燕燕の背負ってきた重荷を徳譲と分かち合う最後を迎えられて、何かほっとしました。これくらいのやりたい放題やっても許されると思います。でも彼女は来世では明扆と徳譲、どちらを選ぶのでしょうね。

そして最後だけに、色んな人たちが死を迎えました。かつての女里と高勲の強烈な最期を思うと、好きだった休哥にはもう少しかっこいい最期を用意してほしかったです。達凛は戦死、楚補は天牢で戦闘中に死亡など、長く頑張ってきた人々にはお疲れ様でした。そんな中、最後になって見せ場が出てきた罨撒葛の執事だった高六は、忠義を貫いて胡輦を守って死んでいった姿が印象的でした。彼は長く胡輦を守りぬき、密かに惚れ抜いていたのではと思うのですが、あんな馬の骨に、ねぇ。
心配した通り、その「馬の骨」存在が仇となって、胡輦は北方で孤独に晩年を送る羽目になってしまいました。燕燕も胡輦も角度は違うものの、重いものを背負わされて身動きがとれない人生でしたが、燕燕には徳譲がいたものの、胡輦の傍には共に背負ってくれる人がいなかったのですね。来世では撻覧阿鉢と早い時期に出会い、家や責任に縛られることなく、二人で草原を自由に送る人生が送れるようにと祈らずにはいられません。

ところで今回倒れた燕燕の枕元に家族が勢ぞろいしていましたが、彼らについて史実話を追加しておきます。玉簫が燕燕に養育を託した皇子・薬師奴はそこにいませんでしたが、彼は結局早逝しています。強く育ってという玉簫の願いはかなわなかったようです。
そして燕燕の娘・観音女は、蕭宰相家の跡取り・継先と結婚しています。継先は最後胡輦と戦っていましたね。その観音女の隣にいた隆祐は、妊娠中に燕燕が親征した時の皇子ですが、彼は観音女の娘と結婚(!)し、間に生まれた息子たちが徳譲の養子になりました。
そして遅れてきた反抗期に突入した感のある隆緒ですが、彼と皇后・菩薩哥の間には子が生まれず、蕭家の別系統から入内した側室の子が帝位を継いでいます。その側室が皇太后となった後、菩薩哥を誣告して陥れたため、菩薩哥は残念な最期を迎えています。
明扆が苦労して遼の骨肉の争いの芽を摘んだつもりでしたが、結局遼は内部の争いが絶えないままずっとゴタゴタし続け、隆緒(聖宗)の後は三代で滅ぶことになるのです。

それでも国の改革を背負って生きた、稀有な皇太后・蕭燕燕の生涯は、彼女を支える人々の存在によって輝き、長く語り継がれる存在になっていくのですね…
これにて大団円、全48話をお付き合いいただき、ありがとうございました。

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