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クルミットです♪
薛汝成は黔州から戻る途中襲撃を受け、何者かに許如帰を奪われてしまいます。そんな中、冷月の祖父・冷沛山から「節度使軍営に発生している祟りの問題を解決して欲しい」との依頼を受けた蕭瑾瑜たちは、軍営内部で乱心者が自死に至っている事態に直面することに。
今回は舞台を節度使軍営に移し、蕭瑾瑜たちがオカルトな「祟り」問題を解明します。祟りの影に隠された陰謀と共に、冷月と冷沛山の拗れた関係を解くことができるでしょうか。長安に蠢く謀略も待ったなし、終盤に向け謎が少しずつほぐれ始めていきますよ♪
【宮廷恋仕官~ただいま殿下と捜査中~】(ネタバレあり)
第28話「潜む闇」
蕭瑾璃が不在の間に脱走者がいたことがわかる。元は捕縛した賊が投降し、訓練して兵に加わった者たちで、4ヶ月足らずという短期間で脱走したのだという。
冷月は冷沛山の部屋に忍び込み書類を盗むが、冷沛山に見つかってしまう。冷沛山は悪びれない孫娘に激怒するが、発作の苦しみを隠していた。冷月は盗んだ書類を蕭瑾瑜に見せる。
強さがご自慢の節度使軍ですが、結構管理が緩いように見えますね
周将軍の馬車を半夏が調べた件が景致にも伝わる。秦欒が公主邸の元使用人を調べ、双子出産時の噂まで蒸し返したというので、景致は危険を感じる。一方秦欒は、博古斎から昇進祝いに銅の如意を贈られるが、如意の裏に彫られた文言から「如」「帰」の二文字が抜けていることから、「許如帰は手のうちにある」と知らせてきたと気付く。
秦欒がこのメッセージに気付かなかったらどうなるのかという、高度な頭脳戦♪
蕭瑾瑜は景翊と密会し、医療所で「最初の乱心者は医療所の負傷兵」との話を掴む。祟りの噂も、暇な負傷兵たちが尾ひれをつけて医療所から広まっていた。蕭瑾瑜は物資担当の呉琛について調べるよう頼むが、公主の妊娠時のことを景致が調査しているとわかり、蕭瑾瑜は仔細がわからず困惑する。
景翊が遊んでいた蜣螂とは、食糞性コガネムシ=糞虫だそうです。不衛生な…
楚楚の腑分けの結果、溺死と焼死の遺体は、飲んだ水や吸った灰の量から「生きても死んでもいない」、死の直前まで普通の呼吸をしていたことがわかる。絞死の遺体は最も変で、自分で自分の首を絞めて最後まで力を抜いていなかった。つまり三人とも死の瞬間まで苦痛を感じていなかったのだ。未知の遺体に楚楚は恐怖を感じ、蕭瑾瑜と一緒に過ごすことに。
オカルトというか、ゾンビドラマのようになってきました
景翊が突然乱心し、医療所で剣を振り回して暴れる。景翊の脳内では、冷月が攫われてそれを助けようとしていたのだ。駆け付けた蕭瑾璃が景翊を気絶させ、蕭瑾瑜の部屋に運んで話を聞こうとするが、冷沛山も同席することに。その頃、景翊らが冷沛山の軍営に行ったとの知らせを受けた景致は、それが宣宗の耳に入ることを危惧する。
蕭瑾瑜が節度使軍営に行くのは、そもそも政治的にまずいことだったのですね?
景翊は鍼で覚醒するが、何も覚えておらず、冷沛山の前でぼろが出ないように周囲は気を遣う。蕭瑾璃は趙捷と侯斌から、景翊は兵士らしくないため何者なのかと問い詰められるが、新入りだとごまかす。景翊もまた、侯斌から疑われていたと感じていた。
この場面、かなり楚楚のナイスフォローが光りますね♪
冷月は景翊の症状から、痛み止めの薬の「洋金花」が原因だと気付く。それは一過性の幻覚を引き起こす効果がある高価な薬剤だった。食事や水からの摂取は考えにくく、なぜ景翊だけが発症したかわからない。まだ今夜は何かが起こるかもしれず、互いに注意を喚起する。
あれだけ冷月に心配してもらえたら、今夜の景翊は嬉しくて眠れないかもしれませんね
冷月は祖父の部屋に、盗み取った手紙を戻そうとするが見つかり、しかも手紙は冷月に見られるようにわざと置かれたものだった。冷月の両親が殺された時、冷沛山は当主によって地下牢に繋がれ何もできなかったため、それ以来毎年命日に出せない手紙を書いていたのだ。祖父の余命が残り少ないと知った冷月は脈診し、それが真実だと察する。
祖父と孫の関係の雪解けがようやくいい形で訪れそうです
蕭瑾瑜は楚楚に、冷沛山の病は長年の傷が原因の骨の病だと語る。冷沛山の手紙には、「大乱を恐れ、すべての人を欺いた」とあり、自分の死に向けて準備を進めているという。蕭瑾瑜たちが鳳凰山に入山する前、節度使軍からは20名の兵が出動しており、それが許如帰襲撃や李璋宅放火の兵と符合し、それを兵権のない呉琛に指示した人間が軍内にいると推測される。蕭瑾瑜の話を聞いた楚楚は、許如帰の拉致は冷沛山の仕業なのかと混乱する…
冷沛山は色々準備を進めていたけれど、それが謀反だとは考えにくそうですね
第29話「治療薬が語る真実」
蕭瑾璃が「薬品の購入を命じたのは侯斌」と聞いてきたため、蕭瑾瑜は侯斌の元に出向くが、侯斌は乱心状態で「私の子供が」と叫びながら剣で腹を斬り自害していた。蕭瑾瑜は急いで検視を命じ、楚楚が腑分けの許可を求めたため兵が異議を唱えるが、同僚を亡くした兵に対する楚楚の配慮に冷沛山は敬意を払う。
冷沛山が楚楚の仕事に対して小娘扱いではなく、プロとして接するのが素晴らしいです
侯斌の部屋の壁に飾られていた山賊の矢は、山賊退治の際に侯斌が蕭瑾璃を庇って矢を受けた時のもので、蕭瑾璃への戒めとして置かれていたものだったことから、軽々しく彼を疑ってしまったことを蕭瑾璃は後悔する。「子供」と口走っていたのは、妻子を難産で亡くしたことをいっているのではないかとみられた。
兄上にとっては長く親しんだ同僚たちを疑わないといけない、辛い作業ですね
蕭瑾瑜は侯斌の部屋に蜣螂虫の入った瓶を発見するが、それは西南の民間療法で、蜣螂の蜜漬けに酢を足したもので、蕭瑾瑜はそれを見て考え込む。その頃、自室に戻った趙捷は、自分の手に血がついていることを部下に指摘されるが、なんともないと答える。
まさかその「蜣螂の蜜漬けに酢を足したもの」を食べるわけではないですよね?
楚楚は検視を終えるが、腹部の傷が普通とは違うという。侯斌の傷は、まるで痛みを感じていなかったように深さに変化がなく、腹の中の何かを探すように内臓を手でかきまわしていたのだ。胸の矢傷は何度も悪化していて、悪性の瘡が二つあったが、そこには蜣螂の蜜漬けが用いられていた。「祟り」の死者たちも悪性の瘡に蜣螂の蜜漬けが使われていた。
男が「私の子が」と叫んで腹をかき回した、なんて…かなりホラーですね
冷月は冷沛山に拘束され、二人が一触即発になったところに蕭瑾瑜たちが駆け付ける。冷月が朝廷への病状報告に触れたため拘束されたというので、蕭瑾瑜は馮玠の視察記録が一冊行方不明になっていると明かす。冷沛山は馮玠の帰京前に病状を打ち明け、しばらくは病状を伏せて、馮玠は皇帝と協議するはずだった。しかし馮玠の死後、彼の後任の兵部尚書・薛汝成は西南に来たのに、節度使軍を訪れることなく長安に引き返したのだ。冷沛山が蕭瑾瑜に祟りの捜査を依頼したのは、蕭瑾瑜を探るためと、冷月の安全を守るためだった。
冷沛山はちゃんと筋を通したのに、わざと病状を伏せたかのように見せたい人が…
楚楚が冷沛山の治療用もぐさの違和感に気付くが、燃やすと毒を発する丹砂が混じっており、それを調達したのは呉琛だった。呉琛の姿は見当たらず、冷沛山は全軍捜索を命じる。蕭瑾瑜は軍営の事件すべてに呉琛が関与していると見ていた。そこに蕭瑾璃が、三人の死者は身内に死の原因が一致する者がいて、心の傷になっていたと知らせる。呉琛の部屋の香炉には洋金花の種の粉があり、呉琛は洋金花を瘡の治療薬に混ぜ、被害体験のある者を自殺に追い込んだが、景翊だけは瘡がなく、医療所の蜣螂を通して毒に触れていたのだ。
景翊のトラウマは「冷月を奪われる」という恐怖心だったということでしょうか
呉琛の部屋から見つかったもぐさの残量から、呉琛はもう冷沛山に毒を盛るつもりがなかったと見られた。そんな中、趙捷が湯浴みをしていたと遅れてきて叱責される。呉琛が見つからないまま夜が明け、井戸から遺体で発見される。楚楚は溺死と判断し、死亡時刻は皆で捜索していた時間と重なる。井戸は出口から遠く、逃げようとして来る場所ではないため、殺されたのではないかと蕭瑾瑜は考え、楚楚に詳細な検視を命じる。
死亡時刻の頃に怪しい動きをしている人が約一名いますね~
楚楚は検視にあたって「ねぎ、花椒、塩、白梅餅、酒粕、酢、乳鉢とむしろ」を要求し、更に空き地に六尺の穴を掘って薪を燃やしてほしいと言う。これらを使って遺体を蒸せば、自殺かどうかわかるというので、冷沛山は全面的に協力するものの、蕭瑾瑜に二人きりで話をしたいと申し出る。
みんなが「料理?食べるの?」と心配するのも道理です。大鍋料理っぽいですよね♪
蕭瑾瑜の上奏文には「李璋の罪は明白だが、偽造銭の主犯ではない」とあったが、韓績は「証拠がなく安郡王の責任逃れ」とし、節度使軍に入り込んだのも越権行為で、蕭瑾瑜を擁護する薛汝成をも非難し「安郡王を連れ戻し罪に問うべき」と主張する。景致は蕭瑾瑜を庇いつつも、帰京を命じ証拠を確認すべきだとし、宣宗の判断にゆだねることに…
韓績みたいに悪口をより優先する人は、皇帝には嫌われると思います…
第30話「難解な暗号」
冷沛山を殺しても呉琛に得はないため、蕭瑾瑜は誰かが裏で糸を引いていると考える。黒幕の計画では、もう毒は必要ない最終局面、つまり軍営を奪取する日は近づいているのではと見られた。冷沛山は偽造銭について全く知らず、李璋邸放火についても、派兵を命じていないと驚く。蕭瑾瑜が冷沛山に放火犯の似顔絵を見せると、侯斌が賊から取り立てた脱走兵だとわかる。軍内に潜む反乱準備を整えた大魚を、冷沛山と蕭瑾瑜は協力して捕獲することに。
冷沛山が全部の黒幕に見えていたのですから、思い込みというのはおそろしいですね
楚楚は酢をしみこませた紙を蒸した呉琛の遺体の背中に置き、その上に出来立ての白梅餅を並べてしばらく置くと、井戸で冷えて見えなかった鬱血痕が浮かび上がる。それによると呉琛は誰かに殴られて気を失い、井戸に投げ込まれたとみられた。
ねぎと花椒は何に使ったのでしょうか…
軍営に趙捷の合図の笛が響き渡り、一部の兵たちはかぶとの赤い房をかなぐり捨て、房のある兵士たちに襲い掛かる。ただ蕭瑾瑜は前もってその合図や趙捷が主犯だと見抜いていた。趙捷は1時間湯浴みしていたのに手にしわがなかったことに楚楚が気づいていたのだ。趙捷の兵は軍営内の掌握を進め、その一方で薛汝成が西南からの連絡を待ち焦がれていた。
あの飾りは戦場での目印なのですね!邪魔じゃないのかなと思っていました
そこに別の合図の笛が響き渡る。趙捷の兵を全力で攻めさせ、冷沛山の合図とともに包囲する計画だったのだ。その間、蕭瑾瑜らは趙捷の部屋を捜索する。冷沛山の病が表ざたになれば兵権は自動的に趙捷に渡るため、兵権奪取強硬策は事態急変の予備で、まだ黒幕に異変を連絡できていないはずだった。そこに筆の中から暗号を書いた紙が発見され、蕭瑾瑜は机の上の「詩経」だけに読んだ形跡があったため暗号表だと気付く。蕭瑾瑜は符合する規則を解析し「呉は失敗、難は除いた 長安に集結せよ」と読み解く。趙捷と蕭瑾璃は死闘を繰り広げるが、冷月の助けもあって趙捷を倒す。
そもそも趙捷の部屋に「詩経」っていう時点で怪しいと気付きますよね!
祖父と和解した冷月はそばに付き添うが、冷沛山は発作で苦しみ「私が死ぬべきだった」と嘆く。長安でいい医者に診てもらおうと勧めるも、冷沛山は「自分の命を守るよりも大事なことがある」と聞き入れない。別の部隊の長安集結の規模を把握すべく反乱兵を尋問しようとするが、冷沛山が処分を即断したため全員死亡していた。そこで楚楚が検視を行い、内臓や骨から生活の痕跡を探ることに。
祖父と孫、頑固者同士で似ているということでしょうか
秦欒は博古斎を訪問し、許如帰の行方について話を切り出すと、許如帰は博古斎で治療を受け回復しつつあるという。池方は山賊に皆殺しにされたとされる昌王について、襲ったのは宮廷から派兵された官軍であり、それを生き延びた昌王自身が語ったと明かす。昌王は、秦欒と手を組んで暴君の誅殺を願っているのだという。秦欒は昌王自身との面会を望むが、池方は「もう何度も会っている」と答える…
その官軍を派兵したのが宣宗でなかったら、とんだ逆恨みということになりそう
不機嫌な宣宗に当たり散らされた孫明徳は、秦欒に「いつ今の陛下を始末するのか」と尋ねるが、秦欒自身、老獪な宣宗を自分の力で廃位に追い込むのは不可能だと考えていた。まずは蕭瑾瑜たちを帰京前に始末しなければと孫明徳に命じる。
秦欒も昌王と手を組む方に傾いたようで、宦官の欲望は度し難いですね
冷沛山は冷月が「あの黔州兵」を好いているのを見抜き、その正体を蕭瑾瑜に問い詰めるが、実はすでに正体は景翊ではないかと看破していた。
祖父上、さすがでいらっしゃいます♪
楚楚が任意の反乱兵10体を検視した結果、彼らの中には元山賊ではなく、長年の訓練を受けた兵士が4人いたことがわかる。元山賊は山で生活しているので、骨や心臓にその生活の痕跡を残しているのだが、4人にはその特徴がなかったのだという。蕭瑾瑜は山賊が黔州兵を襲って兵を攫ったものではないかと見て、黔州兵の徴兵記録を調べさせる。
検視人の知識と観察力はこんなところまで求められるのかと感心させられます
秦欒は宮中から退出する韓績に声をかけ、宣宗の伝言だとして「西平公主の件はどうなった」と問い詰める。韓績は、元侍女たちが全く口を割らないためこの件をうやむやにしようと考えていたが、秦欒は納得せず、韓績に腹をくくれと発破をかける…
韓績は蕭瑾瑜が直接絡まない場合だと、こんなに腰が引けているのですね
28~30話の感想
節度使軍の祟り問題は、蕭瑾瑜たちの登場で計画が狂った犯人たちが仕上げを急ぎ、反乱を起こす事態になりました。信用されていない状態から、正確かつ誠実に謎を解き明かすことで信頼を勝ち得ていく蕭瑾瑜の姿が実に頼もしかったです。蕭瑾瑜だけでなく、自分にできる検視で蕭瑾瑜を支えていこうとする楚楚のプロの姿勢が、冷月と冷沛山の和解に繋がっていったように見えて、この二人は推せる!と清々しい思いに駆られました。
出だしこそ面倒そうだった祟り問題ですが、自殺した三人は私生活で強いトラウマを抱えていて、そこに幻覚を見せることで自殺に導かれていたのですね。これが乱心したのが景翊ではなく蕭瑾瑜だったら、水や閉所のトラウマから自殺に至ったかもしれないので危険でしたね!それにしても景翊が見た幻覚について誰も触れないのは残念でした。「何の幻覚を見ていたんだ」と蕭瑾瑜に冷静に聞かれ、狼狽える景翊を見たかったです♪
しかし、どうやら冷月と和解した冷沛山は、景翊のことを見破った上に、二人のことを認めるようなことを言い出しましたよ!それでいいのか冷沛山!あんなチャラ男に孫娘を任せても大丈夫?ガチガチの頑固おやじだと思っていましたが、孫娘のラブビームに気付いてワクワクするようなフリーダムなところもあるのですね。どうか毒を止めたことで少しでも長生きしてくれることを願わずにはいられません。
これで西南の問題は大方出そろい、そろそろ蕭瑾瑜たちも長安に戻る頃でしょうか。昌王につながる証拠や出生の疑惑など、終幕に向けて答え合わせの時期が来そうですよ♪