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クルミットです♪
宛如には皇子が誕生したものの、皇子が泣き通しのため宛如は苛立ち、子隆も疎んじて他の側室に通うように。そんな中王儇は、蕭綦が竇夫人の子供たちに向けるまなざしの温かさを見て、命がけで自分の子を持つ決心を固め、申太医の鍼治療を受けることにします。
皇太后と宛如の双方向から蕭綦への不信を植え付けられた子隆は、今回ついに蕭綦の暗殺のために狩りに出発しますが、狩られるのは誰か、真の狩りの勝者は誰なのか、深く謀られた計略の真相に気付いた時、背筋が寒くなること必至です。今回は荒れますよ…
【上陽賦(じょうようふ)】(ネタバレあり)
第49話「皇帝の危機」
静皇子を抱いた王儇は一人昭陽殿に残されるが、おむつの交換のため静皇子の側を離れると、その隙に鄭乳母がわざと皇子を起こして泣かせる。驚いた王儇は鄭乳母を叩くが、宛如は鄭乳母の言い分を信じ、徐女官を叩いて事を収めるが、自分で静皇子の世話をすることに。
皇子が泣き続ける理由はこれでしたか…寝させないなんてただの拷問ですよね
皇太后に「豫章王の兵力を抑えること」について意見を聞かれた温丞相は、寧朔への帰還を好機として、徐々に分散させることを提案する。しかし皇太后がすでに策を行っていると知った温丞相は、策が失敗した場合の寧朔軍の反乱に備えることに。
皇太后は、温丞相には何も相談しないのですね。温丞相には汚れ仕事はさせないのかな
昭陽殿の騒ぎは皇太后にも伝わり、最古参の徐女官が宛如に叩かれたことは問題だが、王儇が黙っている以上口を出せない。阿越と錦児は「なぜ謝氏と密接で皇后に重用される鄭乳母が、静皇子を虐げるのか」と不思議に思う。宛如は静皇子からずっと目を放さず、自分で世話をすることになり、遠ざけられた鄭乳母は信を失ったと感じる。
実は錦児はわかっているのでは?謝氏が皇帝にしたいのは静皇子ではないのですよね
宋懷恩と王夙は協力しあって決壊を阻止し、二人の結びつきは強まっていた。そんな王夙に、皇太后から「粛毅伯(宋懷恩)を殺せ」との密書が届き、愕然とする。
王夙がそんな冷酷な汚れ仕事をできるわけがないのに、皇太后の人選ミスでは?
竇夫人は、子の沁之と小禾を食事ができたと名を呼ぶが、返事がない。そこに身を潜めていた刺客が竇夫人を刺し殺して姿を消す…
竇夫人に何という悲劇が!これは刺客が尾行して竇夫人宅が発見されたせいでしょうか
蕭綦はあと20日で寧朔に帰れると、寧朔を恋しがる胡光烈を元気づける。子隆は明日が決行の日のため、半月前から皇太后が準備を進めていたにもかかわらず落ち着かない。綿密に練られた計画は、胡光烈らが見回りで刺客の存在に気付かないほどだった。
かなり大がかりなようなので、これはいくら蕭綦でもピンチかもしれませんね…
狩り当日。子隆は蕭綦の手加減が露骨すぎて面白くないと、白狐を賭けて一対一で競おうと言い出す。蕭綦は仕方なく応じるが、子隆が矢で射られ、大勢の刺客に取り囲まれる。そこで蕭綦は愛馬・墨蛟を放って異常を知らせ、胡光烈らは察知して後を追う。
本気の場所を射られるところまでは完璧にシナリオ通りだったのでしょうか
やがて刺客は撤収するが、子隆は胸を射られてかなりの深手だった。そこに「大王おじさん助けて」と呼ぶ沁之の声が聞こえ、蕭綦は動揺するが、駆け付けた配下と共に刺客を追う。大臣らが駆け付ける前に、皇太后の手の将軍が刺客の遺体を隠す。子隆は蕭綦の銘入りの毒矢に射られており、将軍が皇太后の玉佩により禁衛軍に豫章王討伐を命じる。
蕭綦が無罪を主張できる要素が丁寧に消されているので、これはかなりまずいような…
子隆は手当てのために移動する。一方、蕭綦が腕に受けた傷も毒の刃のものだったが、蕭綦は時間を惜しんで追跡を続ける。その頃、胡瑶が応援を求め走らせた配下の小虎子は、禁衛軍から矢を射かけられてしまう。
蕭綦の追い詰められ方に危機感を感じます。大丈夫なのでしょうか?
第50話「追い詰められた蕭綦」
蕭綦たち寧朔軍は刺客を追っていくと、そこには、賀蘭箴が竇夫人の子・沁之と小禾を人質に取っていた。そこに小虎子が「大王が逆賊だと禁衛軍が追ってくる」と知らせ、蕭綦は事態を把握する。賀蘭箴は二人の人質を忽蘭で養うと約束し、蕭綦の命を求める。
竇夫人が殺されたのは、二人の子供たちを誘拐するためだったのですね
狩場に控える500人の寧朔軍の兵士は、白馬の驚雲の怯えに異変に気付くが、禁衛軍に取り囲まれ「謀反を起こしたのは豫章王だ」と、投降を求められる。しかし蕭綦の謀反など信じられない寧朔軍の兵士たちは、断固抵抗する。蕭綦の背後に禁衛軍が到着したのを見た賀蘭箴は、吊り橋を落として蕭綦の退路を断つ。蕭綦は1万両の賞金首となり、禁衛軍と寧朔軍は戦いに突入する。驚雲は墨蛟と合流すると、毒で意識が遠のく蕭綦に代わって二頭で禁衛軍を蹴散らす。愛馬の姿を見た蕭綦は気を取り直すが、次第に崖へ追い詰められる…
驚雲と墨蛟の姿に思わず涙が…
蕭綦に勝ち目はないと見た賀蘭箴は、人質兄妹を連れて撤収していく。狩りの陣幕では顧閔汶が衛大臣に「これは蕭綦の仕業なのか」と疑問を呈す。しかし衛大臣は「他の大臣たちは皆、蕭綦を葬る好機だと気付いている」と言う。寒門出身者を登用し、士族の基盤を揺るがしたことで蕭綦は士族の恨みを買っていたのだ。太医はもう皇帝を治せないと判断し、その場の最高位の衛大臣は、皇帝に遺言を残させるために皇都への出発を命じる。
この瀕死の状態で輸血もないまま生きて返せって、それはなかなか無理なのでは
賀蘭箴が亡き母と妹に敵討ちを誓っていた頃、蕭綦と胡兄妹らは崖っぷちに追いつめられていた。そこに寧朔軍の分隊が禁衛軍を全滅させて合流し、毒で朦朧となりながらも蕭綦は力を振り絞って禁衛軍に立ち向かう。限界に近づいていた蕭綦を庇って胡光烈は腹に刃を受け、とうとう蕭綦は倒れこんでしまう。
蕭綦が国のために賀蘭箴の命を助けたのは、まわりまわって失策だったのでしょうか
王儇が100本の鍼の後に薬湯に浸かるという厳しい治療に耐えていた頃、胡瑶は死屍累々の中で蕭綦が生きていることを確認する。胡光烈は胡瑶に「敵に大王は死んだと思わせねばならぬ」と、自分に蕭綦の鎧を着せて顔を潰せと命じ、自ら腹の剣を抜いて落命する。胡瑶は泣きながら兄の言う通りにし、蕭綦を連れて寧朔へ向かう。
なんと全滅… 胡光烈はもっと生きていて欲しかったです!そして胡瑶頑張って…
宛如は静皇子の面倒を自分で見ていたが、鄭乳母は無理やり宛如に近づく。寝ずに静皇子の世話をしたことで、宛如は子育ての大変さを知り、鄭乳母を疑ったことを詫び、王儇を呼んでくれという…
静皇子はやっぱり泣きっぱなしだったのでしょうか?
第51話「遺言」
宛如は子育ての大変さを痛感し、鄭乳母を疑った事を詫びて、鄭乳母を侮辱したことの説明をさせようと王儇を呼びつける。心配した徐女官は皇太后を呼ぼうかと提案するが、王儇は人の力には頼らず昭陽殿に向かう。宛如は「乳母がいなかった昨晩、皇子は泣きどおしだった」と、王儇を非難する。王儇は徐女官と共に皇子を調べるが何も問題はない。宛如は鄭乳母への謝罪を要求するが、鄭乳母がとりなす。
ここまで丁寧に調べても見つからないような工作の虐待、って怖いですね~
鄭乳母は王儇が帰った後、工作の痕跡を消すため静皇子を沐浴させつつ、厚遇してくれた宛如に罪悪感を覚える。王儇は自分の手に紅班ができていることに気付き、皇太后の呼び出しを放置して昭陽殿に戻る。そして静皇子の服を処分しようとしていたのを阻止し、桃の皮が仕掛けられていたために静皇子が泣き続けていたのだと説明する。宛如は激高し、黒幕を吐くまで乳母たちを鞭で打たせる。
謝氏への忠誠心からの行動とはいえ、亡き謝貴妃だって赤子の虐待は望まないのでは
皇太后は王儇に待たされたことに怒り鳳池宮に禁足を命じるが、そこに予定より早く戻った子隆が、刺客に遭って瀕死との知らせがあり、皇太后と王儇は慌てて駆け付ける。宛如も皇帝危篤の知らせを聞いて駆け付けることに。皇太后は息子の容体に泣き崩れ、温丞相は豫章王と一緒にいた時に刺客に襲われたが、行方知らずだと語る。宛如が子隆のもとに到着するが、皇太后の命で中に入れず、王儇はそんな宛如に寄り添おうとする。
皇太后は、さすがに我が子の危篤は想定外の事故だったのでしょうか
子隆は遺言を残そうとするが、その前に皇太后は息子の耳に囁いて指示をしていた。中書である顧閔汶が遺言を書きとっていく。「馬静を皇太子に封じよ」「余の死後、皇后を殉葬せよ」子隆はそう言い残し、玉璽が捺される。
まるで子隆の死すら事前に計算していたかのような母の冷酷さ、ぞっとしますね…
この事態に蕭綦の姿がなく、徐女官は王儇に「豫章王の所在を知る者はおらず、寧朔軍の兵士は誰一人帰京していない」と知らせる。王儇はこれまで負け知らずの蕭綦の危険を察し、激しく動揺する。ようやく呼び入れられ、子隆に応じて「ずっとそばにいます」と答えたものの、殉葬の遺言を知らされ逆上する。子隆は自分の死後、宛如の殉葬が静皇子を守る最善の方法と考えたのだ。宛如は最期をみとることなく引き離され、昭陽殿に送り届けられる。
確かに子隆の死後、皇太后と宛如の血みどろの争いになりそうですが、でも殉葬は…
王儇は宛如の殉葬のことを知り、宛如に会いに行く。宛如は静皇子を抱かせて王儇に謝罪し、「代わりに静を守って」と託す。王儇は突然のことにそんな約束はできないと言うが…
静皇子を守るどころか、王儇は自分の身を守ることすら難しくなりそうです
49~51話の感想
前回まで比較的緩やかな展開が続いていたので、突然訪れたこの狩りの悲惨さに胸が痛くなり、そして蕭綦がどれだけの怨嗟を背負ってきたかを気付かされました。宋懷恩や胡光烈が恩賞を得たことを、ごく当然のことと思ってきましたが、それは士族にとっては「寒門による士族の既得権益への不当な侵略」だったようです。
皇太后は王氏の権力独占のため、宛如は謝氏の再起のために、逆方向を目指しながらも「豫章王が邪魔」ということで一致を見て、この狩りを目論んできましたが、その動きに異議を唱えないでスルーすることで、各士族が蕭綦に対して陰険に復讐を果たしているのですね。
そして今回の冒頭、鄭乳母の静皇子虐待疑惑が発覚したことで、「謝氏本流側は静皇子の即位を必ずしも望んではいない」という思惑が見えてきました。おそらく皇太后も宛如も、今回の狩りで子隆の死までは想定しておらず、ちょっとけがをさせる程度だったのが、子隆を倒して混乱に乗じて「天下を取ろう」という別の勢力が、計画を捻じ曲げたのでは。
そう、賀蘭箴が宛如とではなく、本当の意味で手を組んでいた子澹が、ここから真の黒幕としての本領を発揮してくると思われます。
しかし蕭綦は無事に寧朔へ到着できるのでしょうか。無事に生還しても、毒の治療をしないままで時間が経ってしまったことで、後から悪影響が出そうで心配です。そして蕭綦の死を装ったことで、皇都に引き起こされる混乱と、「謀反人の妻」となった王儇の立ち位置を思うと、今後の展開はかなり胃が痛くなりそうです。
それにしても、皇帝のおむつの構造はどうなっているのでしょうか。絢爛豪華な刺繍がほどこされたおむつは、桃の皮をしこまなくてもチクチクしそうですよね♪