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クルミットです♪
王儇が忽蘭で賀蘭箴との婚姻を迫られ、忽蘭王の反対で難しい立場に立たされているとも知らず、王儇の死を信じた子澹は、せっかく即位した玉座に背を向けてしまいます。そしてその混乱を利用して再起を果たそうと、王藺が密かに皇都に戻ってきました。
賀蘭箴との婚姻か、王の命を受けた賀蘭拓に殺されるかの二択で瀬戸際状態に立たされた、王儇の運命やいかに。子澹の暗君ぶりと王藺の頭脳の冴えを見るに、馬曜崩御時に王藺が簒奪に成功していたら、大成は今よりはマシだったのでは、と思ってしまいます♪
【上陽賦(じょうようふ)】(ネタバレあり)
第58話「王妃の消息」
龐癸と共に捕らえられていた人々は大成の民で、王儇が豫章王妃と知って助けを求める。その牢の中には竇夫人の子・沁之と小禾がおり、王儇は彼らから蕭綦を襲ったのは賀蘭箴だと知る。そして蕭綦が大勢の敵に囲まれて殺された、と聞いて王儇は呆然とする。
賀蘭箴は、子供たちを自分が世話するとか言っておいて、実際はこれですよ
王氏の執事・王安は、慈安寺に滞在している王藺と再会し涙する。王藺は静皇子を手元で育てることに。慈安寺の尼僧は、部屋を掃除しようとして王夙に断られ、隠れ住む滞在者に気付く。王藺は夜に長公主の墓参をする日々を過ごす。
王夙たちは慈安寺に甘えすぎなのでは。尼寺なのに男性滞在はよくないですよね~
地方各地で不穏な動きが発生するが、朝廷で増援部隊の派遣に名乗り出る者がいない。宋懷恩は王夙の意図を伺うが、目で止められる。そこで温丞相は衛大臣の息子・勘を推薦する。王夙は、衛勘は実戦不足のため失敗すると見ており、その時まで待てと指示する。
衛大臣の息子だというだけで、かなり大きい失敗フラグが見えますね
衛大臣は宋懷恩について「役人と交流を好む」「屋敷を金で飾り立てる俗物」と、豫章王ととは雲泥の差だと温丞相に注意を促す。しかし温丞相は「おいおい考える」と受け流す。
宋懷恩のこの言われよう。でもこの悪口がさほど外れてもいないのが…
蕭綦の死を確信した王儇は、草原に蕭綦の墓碑を作り、思い出とともに祀る。一方、蘇貴妃となった錦児だが、冊封以来一度も子澹の訪れがなく、自分から子澹のもとへ出向く。子澹は錦児が王儇愛用の蘇合香を身に着けていることに気付いて抱きしめる。その翌朝、「豫章王妃は無事で、賀蘭箴が忽蘭に連れ帰った」との知らせが届き、子澹は錦児の嘘に気付く。
錦児は一生代用品として扱われるのでもいいのでしょうか?
王夙から王儇の無事を聞いた王藺は、錦児が王氏ではなくまず子澹のもとへ向かったことに計略の存在を感じ、錦児を「阿嫵の影に過ぎない」と切り捨てる。さらに王藺は、宋懷恩を取り込んで欲しいものを与え、蕭綦を超えたと思わせて従わせるように指示する。
王藺の人を見る目というか、人心掌握術の凄みを感じる場面ですね…
王夙は皇宮に向かう途中で荒れ果てた豫章王府を眺める。王藺は子澹からの王儇救出を命じられても応じるなと王夙に助言していた。子澹は王儇救出で士族の反発を買うことが予想され、王藺はその混乱を利用して王氏の再興を目論み、忽蘭にいる方が安全だと娘の救出を後回しにするという。王夙は皇宮で錦児に会うが、錦児は硬い表情で通り過ぎる。
王藺の頭脳が完全復活!この謀略が朝廷に帰ってきたら、誰も太刀打ちできなさそう
朝堂に向かう前、王夙は宋懷恩に「この後大騒ぎになるが、自分に従ってくれ」と釘をさす。子澹は王夙を忽蘭に派遣し、王儇救出を交渉するよう命じ、断られたら戦うと言う。温丞相は国が危険にさらされるとたしなめ、士族は反対を表明する。王夙は「妹のために国を危険にさらせない」と答え、宋懷恩も協力を拒んだため、子澹は自分一人で助けに行くと怒る。
「国などどうでもいい」ときましたか。わかっていたけど子澹がここまで暗君とは…
子澹が軍を率いて出兵するというので、大臣たちが書室の前をふさいで阻止し、朝廷は大混乱に。しかし子澹は耳を貸さず、三日後の出陣を宣言する。その話を聞いた王藺は爆笑する。王夙は勝算のない戦を案じるが、王藺は「温宗慎がいる限り戦は起こらぬ」と見る。
王藺の温丞相への信頼が意外ですが、温丞相が今の大成をかろうじて支えていますよね
王儇は賀蘭箴に「捕虜の民を大成に送り返してくれたら、要求を飲む」と、婚姻を承諾する。そして王儇は龐癸に解放が約束されたと伝える…
賀蘭箴と刺し違えるつもりなのかもしれませんが、無茶しないで欲しいです…
第59話「解放」
王儇は龐癸に、解放が決まったのでアリマと共に寧朔へ向かうように伝える。しかし王儇は一緒に行けないのだと言う。
龐癸には王儇の覚悟が伝わってしまいますよね…
嵐の翌朝、落雷で皇帝陵が崩れたとの知らせが皇宮に届く。王夙は王氏を代表して忽蘭出兵には断固反対だと表明し、太祖皇帝の遺勅を持ち出して士族に皇帝の阻止を持ち掛ける。
王夙は宋懷恩を呼び出し、密かに王藺と引き合わせる。皇太后の密命から救ったのは王藺だと吹き込んで持ち上げ、王藺は自分と手を組めば王氏の養子にすると持ち掛ける。
こんなに宋懷恩がチョロイ奴だったなんて、かなりガッカリです
錦児は出発の前日、子澹の決意に理解を見せて一緒に行くと申し出、子澹は同行を許可する。
しかし出発しようとした子澹の前に、温丞相と大臣らは太祖皇帝の位牌を持って立ちはだかり、その遺言に沿って式乾殿に子澹を閉じ込めると宣言する。
温丞相決死の策が、実は王藺プロデュースだと知ったら子澹も温丞相もどう思うやら
王儇と賀蘭箴の婚礼の日、忽蘭王は何者かに殺されているが、まだ誰も知らない。王儇は蕭綦から渡された短剣を思い覚悟を固め婚礼に臨むことに。奴隷たちは解放されるが、王儇を置いていけない龐癸は沁之と小禾をアリマに託し、一人忽蘭に残る。王儇は王倩の罠で囚われ「賀蘭箴は別の女と婚姻する」と聞かされる。王儇はあと1日の猶予を得るため、王倩の望み通り土下座するが、踏みつけられて払いのけたことで、転んだ王倩は痛みで苦しむ。そこに龐癸が王儇を助けに来るが、兵に取り囲まれてしまう。
賀蘭拓と王倩は似たもの夫婦なのだなと実感させられますね…
賀蘭箴は花嫁がミア王女だと気付き、賀蘭拓に食って掛かるが「王命だから仕方ない」と言われる。そこで父王に怒鳴り込むが、忽蘭王は剣に貫かれ命を落としていた。そこに賀蘭拓が「賀蘭箴が王を殺した」と言い立てる。助けようとして攻め込もうとした忽耶奇も殺され。賀蘭箴は万事休すに。そして賀蘭拓は王儇にも処刑を命じる。
ここまでは賀蘭拓の策にまんまとはめられていますが、賀蘭箴やられっぱなし?
賀蘭箴は無実を訴えるが誰も信じない。王儇の解放を懇願する賀蘭箴に、賀蘭拓は「六盤を滅ぼしたのは蕭綦ではなく自分だ」と明かし、王儇に賀蘭箴を殺すよう命じるが、王儇は賀蘭拓に剣を向け、失敗してしまう。賀蘭箴は王儇を逃がすために「自分が蕭綦を殺した」と言って王儇に殺されようとするが、王儇はそれでも賀蘭箴を助ける方を選ぶ。賀蘭箴は王儇を庇って刺され、追い詰められた王儇の前に現れ命を救ったのは、蕭綦だった。蕭綦は賀蘭拓を人質に取り、あっという間にその場を制圧する。
やっぱりピンチは「蕭綦待ち」で解決ですね♪かっこよすぎて文句なしです!
子澹は軟禁されて以来、王儇の思い出に浸って過ごす。そんな中、存在感を増す宋懷恩を皆が引き入れようと必死になるが、王藺は宋懷恩を「蕭綦とは似て非なる者」と看破し、劣等感と欲のため利用されやすいと見る。しかしまだ静皇子の身分を明かすには早いと考える。
今回周囲からの宋懷恩への評価が酷すぎて、ガッカリを通り越して苦笑です
拘束された賀蘭拓と、解放された奴隷たちを連れた蕭綦の隊列が間もなく寧朔に到着しようとしていた。しかし寧朔軍は集団の到着に武器を構える…
寧朔を守っているのが唐競ではないようですが、この人物は見覚えがありますよね?
第60話「大王と粛毅伯」
寧朔到着を前に賀蘭拓は暴れ続け、反逆者として寧朔に戻ることに王儇と蕭綦は複雑な思いだった。寧朔の城門を守っていたのはかつて暉州で豫章王夫妻に恩を受けた牟連だったため、二人の生還に開門しようとするが、寧朔を治める劉将軍は蕭綦の捕縛を命じる。蕭綦は濡れ衣を訴えるが、後ろから忽蘭の軍隊が押し寄せたため、劉将軍はさらに蕭綦を疑う。
牟連~!これはまたナイスな配置!でもやっぱり寧朔は使臣の支配下なのですね
忽蘭兵と蕭綦たちは衝突し、戦闘素人の奴隷たちは倒されてしまう。そこに寧朔の城門から矢が放たれ、寧朔兵に守られ蕭綦はようやく寧朔への帰還を果たす。蕭綦は賀蘭拓を解放し、忽蘭兵と共に退却する。劉将軍は朝廷から遣わされたで人物で牟連らに制圧されていたが、蕭綦が謝罪したことで蕭綦に心服する。
賀蘭拓を返したことで、きっと忽蘭は暗君によって荒れる、という読みでしょうか
寧朔軍の違背はすぐに皇都に伝わるため、皇都へ軍を率いて行けば、謀反を疑われる恐れがある。それでも蕭綦には、狩場に散った兵士たちの死を無駄にしないため、皇都で真相を明らかにする必要がある。寧朔に残るよう言われた王儇だが、真相と向き合う覚悟を固める。
二人の覚悟はあまりに重いです。でも二人を陥れた者たちには責任を取らせないと…
皇宮に「豫章王が王妃を奪還」との報が入り、子澹は反逆者として蕭綦を許すわけにはいかないと激怒する。錦児は「王儇」はどうするのかと尋ねるが、子澹は「上陽郡主と呼べ」と二人の差を思い知らせる。王藺にも王儇奪還が知らされ、王藺は心配を隠して「普通の娘ではないから簡単に死ぬもんか」と悪態をつく。そして蕭綦を陥れるため楝羽山が仕組まれたことを、皆が気づき始めたと指摘する。
王藺が嬉しさを隠しきれないのがちょっとかわいいです
蕭綦率いる寧朔軍は国内の混乱を鎮圧しながら、南下し皇都に向かう。国内の軍は寧朔軍と戦わず、戦っても負けるだけだと大臣たちの悩みの種となっていた。温丞相は大臣たちに、蕭綦が反逆者かどうか真相を知っているのにまだ目を背けるのかと諭すが、衛大臣は「だからこそ蕭綦は朝廷を恨んでいるだろう」と恐れる。顧閔汶は、自分たちが女や金を貢いだ宋懷恩なら「豫章王の災難を利用して地位を固めた人間」だから、蕭綦が帰京すれば何かが起こると軽口をたたく。大臣たちは蕭綦を恐れ、反逆罪の赦免の詔を子澹に出させることに。
金はともかく、女を貢がれた…? 宋懷恩の株がどんどん暴落していきますね!
錦児は懐妊しお腹も大きくなっていたが、あと数日で蕭綦と共に王儇も帰ってくると知って激しく動揺する。温丞相は子澹に蕭綦の帰京と向き合わせようとするが、子澹は軟禁を根に持って対処を士族に丸投げする。そんな子澹に錦児は理解者として寄り添おうとする。
錦児は懐妊していたのですね!玉岫はもうとっくに出産しているでしょうか
蕭綦を説得する役目を話し合うが、大臣らは誰も行きたがらない。温丞相は宋懷恩に仲裁役として白羽の矢を立て、「今のそなたは大成の粛毅伯か、蕭綦の部下か」と迫る。それを聞いた王藺は、士族たちも宋懷恩を信用しておらず、信用するのと利用するのは違う、と語る。
士族にいいように利用されているのに、調子に乗っている宋懷恩が哀れです
朝廷の軍を率いた宋懷恩は、蕭綦に寧朔に戻るよう、勅命を盾に説得を試みる。蕭綦は「朝廷が今も私を豫章王だと思っているのなら、事件の真相を明らかにしないまま、私の命を奪おうとはしなかったはず」と朝廷の姿勢の矛盾を突く。それでも「自分は国に忠誠を尽す」と言う宋懷恩に、蕭綦は不忠の兵はいなかったにもかかわらず寧朔軍はなぜ死んだのかと問い返し、宋懷恩の説得は失敗する。寧朔軍は皇都へと進んでいく…
蕭綦の正論が、ことごとく宋懷恩の薄っぺらな言葉を跳ね返しましたね…
58~60話の感想
このドラマはどうも「王儇という毒に当たった男たち」という様相を呈してきたように思います。王儇を愛しても愛されなかった男たちが、王儇を手に入れるために、本来守るべき大切なものを投げ出して周囲を不幸に巻き込み、自分も破滅に向かっていくというパターンが見えてきました。子澹しかり、賀蘭箴しかり。もしかしたら宋懷恩も。
そう思うと、王儇を愛しながらも宛如にちゃんと切り替えて、「よき皇帝になろう」とした子隆は、三兄弟の中ではかなりマトモだったのかもしれません。馬曜皇帝の息子を見る目は案外正しかったのかも。そういう意味では、小さい頃から一緒に遊んでいて王儇の毒に当たらなかった子律と、女を手あたり次第の性癖なのに王儇に全く興味を示さない賀蘭拓が、男としてむしろどこかおかしいのでは、と錯覚するほどです。
そしてその毒を、玉岫との婚姻で一見回避していた宋懷恩が、ここに来て何か怪しい動きを見せ始めました。この回で私たちはどれだけ宋懷恩の悪い評価を聞かせられたことか。
王藺・王夙親子に散々おだてられて、自力では降りられないところまで登りつめ調子に乗ってしまった彼がこの先どう転落していくのか、そこが今一番の気になる所です。
多分、王儇と蕭綦はこの先どんな危機に陥っても大丈夫だろう、と今回で確信したので、子澹や宋懷恩のゴタゴタぶりが今後の見どころとなっていきそうです。特に宋懷恩は、かわいい玉岫が巻き添えで不幸になることを考えると、心配になってしまいますよね。
あと、その後の忽蘭はどうなったのかは結構気になりますよね。賀蘭箴と王倩はどうなったのか、賀軍が賀蘭拓の奪還に動いたという事は、賀蘭箴の容疑は晴れずに賀蘭拓が即位することになるのか、などなど… 中国時代劇あるあるで、終盤に差し掛かっても残りの話数に比べて解決していないことが山盛りなのですが、気が付くとうまく片付いているのでしょう。きっと大丈夫です♪