燕雲台(えんうんだい)-あらすじ-19話-20話-21話-感想付きネタバレでありで!

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クルミットです♪

明扆は即位早々燕燕の立后に着手し、婚姻を目前に控えていた徳譲と燕燕は二人で逃げますが、聖旨の存在はあまりに重く、泣く泣く引き裂かれてしまうことに…
徳譲は心身ともに傷つき、燕燕は食を断って後宮入りに抵抗しますが、本人たちの意志とは無関係に事態は進行していきます。

明扆の即位で遼は新しく歩み始めますが、次第に即位の協力者の中からも不協和音が聞こえ始めます。わざとコトを起こさせるように仕向けているのではないかと思うほど明扆の策略が冴えわたっていますが、それによって起こる波風は燕燕にも無縁ではありません。
とはいえまだまだ新帝の政は序盤。捺鉢の時に皇帝を座敷丸ごと運ぶ仕様の輿が出てくるのですが、あれに乗って旅してみたいと思うほど、草原の景色が雄大で癒されますよ♪

【燕雲台-The Legend of Empress-】(ネタバレあり)

第19話「あなたがくれた名」

徳譲と燕燕は抵抗を続けていたが、胡輦が二人を会わせることにし、燕燕はようやく粥を口にする。やっと会えた二人だったが、今生で添い遂げられなくても、生きている燕燕を見守り続けたいと徳譲は諭す。二人は二つの鈴を分け合い、徳譲は燕燕に「長恨歌」の一節から漢名「綽」を贈る。
この場面で流れていた曲が、心が痛くなるような別れの場面にとてもマッチしていましたが、この曲は、斜軫を演じている于済瑋が歌っている「相思魂」です

燕燕は再び食をとらなくなり、蕭思温は燕燕の好物の艾餅で説得しようとするが、燕燕はひたすら「綽」の文字を書き続ける。後宮入りの準備は進められ、次第に心が折れていった燕燕は、徳譲との婚姻のために作った衣装を蔵に仕舞い、烏雲蓋雪を徳譲に返す。
烏雲蓋雪が別れの印だなんて、この暴れ馬が登場した当初は思いもしませんでした

燕王府では沈み込む徳譲を見かね、韓夫人が李思を呼んで慰めさせようとするが、李思は自分には無理だと帰っていく。李思は今の徳譲の心の隙に付け入ろうとすれば、軽蔑されることがわかっており、立ち直ったら会いに行くつもりだった。
李思の恋愛テクニックがあまりに上級者すぎて震えます♪

徳譲は明扆を君主として信用できなくなり、上京を離れる決心を固め、烏雲蓋雪と共に酒を飲む。それを見た韓夫人も一緒に酒を飲み、「生きるならしっかり生きねば」と励ます。明日の朝になったらすべてを忘れよう、と二人は酒を酌み交わす。
徳譲が一言も喋らないこの場面、表情だけで多くのことを物語っています…

婚礼の朝。魏王府に寧王・只没が使者として花嫁を迎えに訪れる。花嫁衣裳と皇妃の冠を身に着けた燕燕は魂のない人形のように無表情で儀式をこなし、宮中へと向かう。その頃、徳譲もまた上京から旅立つ…
契丹の花嫁は最低三回酒を飲まされるのですね。肩に一瞬だけかける白い毛皮?とか謎のボコボコの上歩かされるとか、これまでのドラマでは見かけない謎の儀式多いですね♪

第20話「民への思い」

婚姻の儀式を終えた燕燕は、明扆に背を向け続けるが、明扆は燕燕がかつて落とした玉佩に命を救われたことを語り、燕燕が自分を受け入れるまで待つと言う。しかし燕燕は頑なな態度を貫き明扆を困惑させる。明扆は徳譲が旅に出たことを知り、尾行をつける。
玉佩はここで出てきましたね!でも返さないのですね♪

明扆は蕭思温と只没を呼び、夏捺鉢の場で斡魯朶の再編を発表したいと持ち掛け、徳譲が考えた改革案を提示する。蕭思温は近衛軍などの改革も同時に進めなければいけないとして、女里の補佐に休哥を推薦する。明扆は只没に気を遣い、明扆は夏捺鉢の準備を任せ、積慶宮(世宗の住居だった)を与えることに。
徳譲の奏状は、燕燕と見ていたあの奏状かと考えるとつらくなりますね…

徳譲はひとり燕雲台に登り、あの日の誓いに思いを馳せていた。その想いが伝わったのか燕燕の鈴が鳴るが、かえって辛さが増す。明扆は徳譲が幽州に向かったと報告を受け、その様子を李思にも伝えさせる。
明扆が李思に徳譲情報を流すとか怖すぎです。どこまで周到なのですか

徳譲は狩りの最中に獲物の鹿に逆襲されていた男を助ける。彼は日連部の阿孛合で、父の病で雄鹿の血を薬にするため狩りをしていた。徳譲は足を怪我した阿孛合のため村まで付き添い、勧められて滞在することに。阿孛合は族長の息子で、村は豊かだが使われている奴婢が貧しいのが徳譲の心にひっかかる。
徳譲の幼少期の「奴婢の子」呼ばわりのトラウマが、ここで刺激されたのでしょうか

只没は積慶宮の主となり、安只に宮殿の差配を任せる。二人はようやく苦労が報われたと互いをねぎらうが、その陰で安只は塔布を毒殺し、罨撒葛とのしがらみを断つ。
安只の裏表の落差は時々ついていけないほどです。安只は清々しいほど真っ黒♪

宮女たちが「陛下は貴妃の寝殿に泊まっていない」と噂し、それを聞いた胡古典が燕燕の力になろうとしてきたことで、燕燕は噂が広まる速さに驚く。明扆は胡古典の話し相手になってやってくれと機嫌をとるが、燕燕は冷たい態度を崩さない。しかし明扆は短命だから侮られがちで、述律太后のような強い皇后が必要だと辛抱強く説き続ける。
胡古典ちゃんはいい子ですね…あの胡散臭い駙馬とはうまくいっているのか心配です

徳譲は部族の村を見て回るが、貧しい奴婢たちが母親の病気を医者に診せられず、騰里に祈りを捧げているのを見る。「病になるのは、死ねば楽になれるから幸せなこと」という奴婢の言葉に、彼らのためにも漢制の推進を進めようと思う。
上京だと奴婢はここまで悲惨ではなかったのでしょうか、豊かな村なのに…

明扆は燕燕に理解されない焦りを抱えながら、体調の悪化で倒れる。燕燕は枕元に駆け付けるが、悪夢に怯える明扆は燕燕の手を握って離さない。燕燕の侍女たちも「陛下が安らげるのは貴妃の傍だけ」と、燕燕の心をほぐそうとする。
もしや明扆は、迪里姑も侍女たちも抱き込んで仮病で懐柔工作しているのでは

李夫人は徳譲を諦め他の人を選ぶように促すが、李思は徳譲しかいないと固く心に決めていた。そこで徳譲に会いに行くのを許したものの、李夫人はこれでよかったのかと迷う。
李思がわざわざ会いに行っても、徳譲は気持ちの負担が増えるだけのような気も…

奴婢の魯端が腹痛と発熱で寝込んでいるのを見て、徳譲は薬で治療するべきだと訴えるが、魯端は生きることを諦め、死んで騰里に会うことだけを望み、両親もおろおろするばかり。
そういえば韓匡嗣は医術で出世しましたが、徳譲は受け継いでいないのでしょうか

燕燕の食事中に明扆がやってくるが、燕燕は冷たく「陛下の分はありません」と追い返そうとする。「やっと一緒に食べる人ができたのに」と同情を引く作戦で、明扆はようやく一緒の食事にこぎつける。
明扆は燕燕の扱い方を心得てきたようですね♪

第21話「新しい妃」

明扆は、大臣たちに不仲を見破られたら面倒だと、燕燕にいざとなったら国を託したいということを切り出す。燕燕は夏捺鉢で行われる斡魯朶の再編の話を聞き、つい持論を述べるうちに第に会話も増え、明扆は燕燕との距離が近づきつつあるのを感じる。
政の話を持ち出せば燕燕が乗ってくる、という明扆の密かな策略が冴えわたります♪

喜隱は禁足を解かれ、三人の叔父も釈放されたことから、烏骨里と喜隱は明扆を軟弱だと侮る。一方、即位の協力者だった女里と高勲は、その後の処遇に不満を持ち、蕭思温に実権を奪われたと恨みを募らせる。高勲は女里を唆し、女子を後宮に送るように勧める。
こうやって不満を持つものが出てくるから、即位はゴールではなくスタートなのですね

李思は幽州に徳譲を追って旅立つことに。実は李家には明扆が送り込んだ者がおり、李夫人の侍女に命じて李思を徳譲のもとへ送るようにと工作していたのだった。
うわぁ、ドン引き… 明扆の策略はどこまで…

女里は長兄の娘・喜哥を明扆の妃に推薦し、明扆は承知するものの、女里が蕭思温重用への嫉妬心という本心を見抜いていた。新しい妃の話は燕燕にも伝わるが、燕燕は知らないふりを決め込む。しかし喜哥は燕燕に対抗心むき出しで、皇后の座への野心に満ちていた。
小犬を飼うとでも思って、って女里はすごいこと言いますね♪

喜哥の入宮の日の夜、燕燕は自分の天幕に明扆がやってきたことに驚く。初夜に放置された喜哥は激怒して怒鳴り込むが、燕燕は「掟を教えるように」と古参の侍女たちに任せる。経緯を聞いた明扆は面白がりつつも、燕燕がいつになったら自分の心に気付くのかと思う。
喜哥に合わせて命がけで寵愛を競ってくれる皇后だったら、上京に血の雨が降るかな…

古参の侍女たちに跪かされた喜哥は、燕燕が自分を妬んでこんな目に遭わせたのかと考え、女里には言わず自分で乗り越えようと、二人の太妃に取り入ることに。蒲哥と啜里の二人の太妃は、何とかして二人の妃を手なずけて「太后」の威厳を手にしようと企む。
これまで後宮っぽさのなかったこのドラマに、一気にドロドロの波が来ましたね~♪

一向に解ける気配のない燕燕の態度に、侍女たちまでが心を開くように進言する。明扆と燕燕は顕陵(世宗の墓陵)に詣でて祭祀を行うが、そこで「漢制を推し進め、遼に繁栄をもたらす」と宣言する。同じ頃徳譲もまた草原で燕燕を想いながら、漢制の推進こそが民を幸せにする道だと思い至る。
明扆と徳譲、燕燕の目指すところは同じなのに、こんなにバラバラになってしまって…

徳譲は阿孛合の奴婢・十五に脱里長老を呼び出させ、その隙に天幕から薬を盗み出して魯端に与える。脱里は薬が盗まれたのを十五の仕業と見て鞭打たせ、徳譲は見かねて止める。部族と徳譲の板挟みになった阿孛合は、徳譲との絆を断ち切りつつ、自分がすべてを背負うことでその場を収拾する。徳譲は家畜のように扱われる奴婢の現状を目の当たりにする…
徳譲が薬泥棒を白状したらよかったのでは、という気がしないでもないのですが

19~21話の感想

燕燕と徳譲の抵抗むなしく、燕燕は貴妃として後宮入りしてしまいました。あんなに表情豊かで笑顔がはじけていた燕燕が、まるで魂を抜かれた人形のように婚儀をこなしていくのがかわいそうで、心が痛くなります。
燕燕をふり向かせようと明扆は一生懸命ですが、表向き燕燕に真摯に向き合っているように見せて、その裏では徳譲と李思を取り持とうとしていたり、女里が喜哥を入宮させるのを止めなかったりと、策を弄しすぎです。燕燕はこの先、その策略に気付かないまま明扆を許してしまうかもしれませんが、私たちは忘れないでおきましょう♪

これまでは女子パートはカラっとした性格の三姉妹がメインだったので、李思の湿度の多い恋愛上級者ぶりが目立っていましたが、ここに来て喜哥や太妃たちが参戦して「女の戦い」を燕雲台に持ち込んできました。太妃たちは二人とも蕭家の出身ですが、蕭家同士の助け合ということはないようで、「挨拶がない」というだけで燕燕潰しに荷担するようです。殴り込みしたからと先輩が掟を思い知らせるなど、後宮は田舎のヤンキーと大差ないですね♪
いっそ李思に明扆の後宮に入ってもらって、喜哥や太妃をつぶして、燕燕との頂上決戦を展開してほしいくらいです。

しかし明扆にとって問題は後宮ではなく、即位早々綻びが出てきた政です。功労者である女里と高勲の権力を削ったのは、配慮があってのようでしたが、実際のところ二人が蕭思温の邪魔になるであろうことを見込んで、わざとやっているのでしょうか。明扆のやることには万事裏がありそうで、つい勘繰ってしまいます。
この先燕燕に国を手渡すまで、なんとか地ならしを完成しておかなければいけないので、隙あらば謀反、という血の気の多い契丹人を、虚弱な明扆が取り回しするのにはかなり苦労が多そうです。燕燕が明扆を受け入れて国を安定させるのが国としてはいいことだとは思いつつも、燕燕はこのまま許さないでいい、という気持ちもあり… 燕燕があの笑顔を取り戻す日は果たしてくるのでしょうか、この先が心配です。

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