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クルミットです♪
喜隱と烏骨里、罨撒葛と胡輦という、皇族と后族のトップである二組の婚姻が成立したことで、遼の皇帝の後継争いはさらに激化の様相を呈してきました。太祖の三支の思惑は入り乱れ、残った燕燕の婚姻に必然的に注目が集まりますが、燕燕と徳譲の恋仲が事態をさらに難しくすることに。
燕燕と徳譲の間に「ちょっと待ったぁ!」と割って入ろうとする磨魯古、密かに接近を図って距離を詰める明扆と、婚姻レースは混戦状態ですが、耶律璟の暗君ぶりが限界突破してしまい、そろそろ何かが起こりそうな気配です。誰でもいいから耶律璟を暗殺しちゃえよ♪と思わずにはいられません。
【燕雲台-The Legend of Empress-】(ネタバレあり)
第10話「君主の道」
明扆の理にかなった考え方に触れ、燕燕は明扆を「次期皇帝にふさわしい」と高評価する。明晰な視点で君主を論じる燕燕に感心し、明扆と友人になるが、明扆はこの友情を伏せるようにと燕燕に口止めする。
明扆と燕燕は、徳譲とはまた違ったいい感じのカップルになりそうに見えますが…
罨撒葛と胡輦は婚姻の報告のため参内する。胡輦は烏骨里と会えるのを期待していたが、来ていたのは耶律璟と罨撒葛の弟・敵烈一家だった。耶律璟は罨撒葛の息子に系統の後継を託し、敵烈一家を冷遇して息子・蛙哥と共に戦場である南京に追いやろうとする。後から到着した喜隱と烏骨里は、中に入れてもらえず外でずっと待たされることに。
敵烈は弟なのに、母が違うから耶律璟から信用されないのでしょうか?
燕燕と徳譲は二人でいるところに磨魯古と出会う。無理に燕燕を連れて行こうとするのを徳譲に阻まれ、磨魯古は「奴婢の子」と罵る。徳譲に腕力で勝てない磨魯古は、大勢で徳譲を攻撃させ、止めようとした燕燕まで顔を殴られたのを見て、耶律斜軫が割って入る。さらに耶律休哥にも介入され、磨魯古は渋々引き下がることに。
磨魯古は永遠のジャイアン… ダメ男の多い耶律の中で休哥と斜軫はいい人ですね!
胡輦に促され、罨撒葛は喜隱夫妻を宴の中に呼んではと進言するが、耶律璟は全く耳を貸さない。立ちっぱなしでフラフラになった烏骨里は、この屈辱に復讐の思いを強くする。そこに帰宅の許可の命が伝えられ、喜隱と烏骨里は怒りを抑えて帰路に就く。
耶律璟の嫌がらせは、まるで謀反をそそのかして煽っているかのようです
徳譲は燕燕を守れなかったことを悔やむが、求婚に慎重な徳譲に、燕燕は「周囲が避難すればするほど一緒にいるべき」と強気を崩さない。磨魯古が怪我をしたことで、休哥は虎古に一連の経緯を報告し、虎古は磨魯古を叱りつける一方で、「漢人に肩入れしすぎ」と休哥に不満を述べる。
虎古の不満は古い契丹人が抱える憤懣の象徴で、それが根強いのも感じますね
明扆は外出中に、罨撒葛の手の者とみられる尾行に気付く。外出の主目的は南院枢密使の高勲に会うことだったが、燕燕を密会場所である酒楼に誘い出す。尾行者は明扆と高勲が同じ酒楼に入ったことを罨撒葛に報告する。明扆は燕燕の怪我の事情を聞き、酒楼の向かいに来ていた磨魯古に仕返ししようと提案する。
ここの一連の流れが、明扆の頭脳明晰さを物語ります。燕燕もうまく使われていますが…
燕燕は徳譲と一緒のふりをしてわざと磨魯古に追いかけさせ、磨魯古は徳譲がいるものと思い酒楼の部屋に殴り込みをかけるが、そこにいたのは高勲で、配下に袋叩きにされる。そこに明扆と高勲の密会をおさえようとやってきた罨撒葛は、逆に高勲から非難されることに。罨撒葛は明扆の目当てが燕燕だったのだと思い込む。
磨魯古に仕返しし、高勲との仲をごまかし、罨撒葛の疑惑をそらすのを一度に達成!
第11話「確かめ合う想い」
罨撒葛は、明扆が自分の敵ではないと判断して尾行をやめさせる。燕燕は明扆に「好きな人がいて、早く求婚してほしいが煮え切らない」と悩みを打ち明け、「皇后になんてなりたくない」との本音を語る。さらに燕燕は、明扆を相手に漢制の推進と国家について語り、述律太后のようになって国を動かしたいという思いを打ち明ける。
燕燕の言葉には全く裏がないだけに、明扆にとってはちょっとこたえますね♪
李夫人は、李思と徳譲との縁談をまとめるつもりで上京を訪れ、韓家に滞在することに。李思は燕燕とのことを案じていたが、李夫人は「后族は格下には嫁げない」と娘を安心させる。李思は徳譲が皇族の子弟と喧嘩したと聞き、「漢人は結局漢人」なのだと徳譲を諭す。
李思が喧嘩をいさめる言葉の裏に、「あの人を諦めて」が周到に織り込まれているのが…
明扆は席を外して高勲と密かに会い、その才能を高く評価し「今後は共に大業を成そう」と約束する。そして部屋を間違えたふりをして燕燕の元に戻る。明扆は婆児に燕燕の見識の高さを絶賛するが、「想い人」の存在が問題だった。
先帝に重用された人は耶律璟への不満が強く、明扆はそこを一本釣りしているのですね
韓夫人は理想的な娘に成長した李思を絶賛し、息子の嫁に来てくれないかと熱心に口説く。李思は燕燕とのことを諦めさせようとしつつ、将来皇后や后になったら助けてくれるかもしれないと言う。その話を燕燕が聞きつけて「徳譲さんの心は私のもの」と啖呵を切るが、李思を庇う徳譲に腹を立てて帰ってしまう。
韓夫人は契丹人だったのですね。韓夫人も燕燕も、物言いがハッキリしていますね♪
燕燕は追ってこない徳譲に苛々して、嫉妬させたくて磨魯古の誘いに応じようとする。しかし徳譲が怒って帰ったため、磨魯古に見世物の鎚を受けるように挑発し、その隙に逃げる。徳譲は燕燕に、蕭宰相に婚姻を申し込むと宣言する。
磨魯古はこの後無事だったのでしょうか…?
只没は燕燕を娶るつもりで、安只のためには大業は捨てられないと本音をもらすが、それを聞いていた安只は咄嗟に池に身を投げる。只没が助けたものの、安只から燕燕との縁談を問い詰められた只没は、なだめるために安只を守ると誓い、やがて二人は一線を超える。
只没も安只も、それぞれに計算高くてむしろお似合いだと思います♪
罨撒葛は敵烈と喜隱夫妻と燕燕を招き、家族の宴を開く。それは南京に赴く敵烈の送別会も兼ねていた。罨撒葛と喜隱は互いのわだかまりは解けないものの、表面上和解の盃を交わす。姉妹だけで胡輦の部屋に移動して、嫁ぐ前のように賑やかに語り合うが、胡輦が燕燕の様子がおかしいことに気付く。燕燕は徳譲の求婚を打ち明け、姉たちは恋の助言をする。
耶律璟の皇后は亡くなっているのですね。蕭家ガールズトークはかわいいですね~
徳譲は父・韓匡嗣に「蕭宰相に燕燕との婚姻を申し込んでください」と願い出る。韓匡嗣は、大業を前に万が一のことがあれば燕燕を巻き込むことを指摘するが、徳譲は幽州のことがあって考えが変わったのだという…
韓匡嗣、意外と反対する気がなさそうな返事を返していますよね♪
第12話「怒りと憎しみ」
徳譲は父に、婚姻を先送りすれば李家との縁談が進んでしまうこと、何よりも燕燕が一番傷つくことを訴える。頑固な息子の懇願に、韓匡嗣は蕭思温に婚姻を申し込むことを了承する。
徳譲、第一関門突破!でも韓匡嗣は先に暴走している奥様にストップかけないと♪
北漢からの早馬が南朝の趙匡胤の親征を知らせ、援軍を求めてきた。蕭思温は北漢への援助を進言するが、耶律璟はまったく興味を示さず、酒に溺れ気まぐれに宮女を殺す。そんな現状に、明扆は燕燕に婚姻を申し込む決意を固める。
殺された宮女がかわいそうですが、安只は彼女の背中無理やり押していましたよね…
燕燕と徳譲は、韓匡嗣の許しを得たことで婚姻に一歩前進していたが、一方で磨魯古は虎古に燕燕との婚姻を願い出る。虎古は磨魯古では力不足だと反対するが、磨魯古は聞き入れられるまで跪くと言って必死に懇願する。
おっと、磨魯古はどうやら無事でしたね♪
安只は耶律璟への恐怖から只没との関係を一層深めていたが、只没は出征して軍権を獲得する計画を立てていた。その軍権によって帝位を手にする夢を語る只没に、安只もうっとりと同じ夢を見る。
只没は燕燕が本命で、安只とは所詮遊びなのではないかと思うのですが、大丈夫?
韓匡嗣と徳譲、虎古と磨魯古が同時に燕燕との婚姻を申し込んできたため、蕭思温は困惑し、燕燕の考えを聞くことに。燕燕は徳譲だと即答し、虎古は侮辱だと憤る。蕭思温は「娘の選択は私の選択」と突っぱねるものの、内心予定が狂って苦々しく思う。
蕭思温が自分で返答せず、燕燕に選ばせるのは若干卑怯ですよね~
只没は屋質大王に耶律璟の暗君ぶりを訴えるが、狸寝入りでごまかされる。只没は老いぼれだと見限るが、屋質は只没の未熟さにわざと手を貸さないだけだった。只没の行動は罨撒葛に筒抜けで、見過ごせないと見て只没の弱みを調べさせる。
明扆が万全を期してそれでも疑われるのに、只没の行動がバレないわけがない…
明扆は悪政に怒りを爆発させ、耶律璟によって遼が失われるかもしれない危機的状況に強い焦りを感じる。一方、只没は蕭思温にも働きかけ一蹴されていたが、そんな動きは罨撒葛を通じて耶律璟の耳に届いていた…
こんな浅はかな弟だから、明扆は父の死の真相を伏せていたのかもしれませんね
只没が皇族に接触しているとの噂は明扆にも届き、只没を諫めるが思い上がって全く耳を貸さない。只没は安只との密会の最中に踏み込まれ、耶律璟の前に引き出される。そこで明扆は罨撒葛に助けを求める。
只没を陥れた張本人に助けを求めなければならない明扆の悲哀…
母が漢人の「雑種」と挑発された只没は、耶律璟を「酒乱の能無し」と罵倒し、激怒した耶律璟が投げた小刀で只没は片目を負傷する。明扆の必死の懇願で一命は救われるが、耶律璟は只没に宮刑と、さらに杖刑100回を命じ、明扆はあまりの衝撃に吐血して倒れる。只没は生きる気力を失い、薬を飲むように説得する明扆の言葉にも心を閉ざす。喜隱と只没と、三支の二系統が立て続けに処罰され、次は明扆が狙われるのではないかと徳譲は案じる。
感情が高ぶるのは体に良くないのに、明扆はこんなに心労が重なって…
燕燕と徳譲は待ち合わせをしていたが姿を見せない。帰宅して、ようやく宮中で起こった騒動を知り、燕燕は居ても立ってもいられない…
燕燕はこの後どんな行動を起こすのでしょうか。明扆に負担はかけないであげてね♪
10~12話の感想
前回「耶律璟にも皇后はいる」と書いたのですが、現時点では皇后は亡くなっている設定だとわかりました。どんな暗君でも取り入って後継ぎを産みたい勢は後を絶たなかったりするものですが、耶律璟の場合、命に関わるので后族がフルでお断り案件ですよね。三姉妹が彼に気に入られなくて本当に良かったと思います。
耶律璟が敵烈の息子を後継として数に入れず、冷遇しているのはなぜかと思ったら、敵烈の母が身分の低い奴婢の出だったからなのですね。そんな異母弟でも、謀反人の別系統の従弟=喜隱よりはまだマシ扱いなので、なかなか序列のつけ方が難しいです。
それと、只没が耶律璟に「雑種」と言われていたのは、只没の母が漢人の甄皇后(第1話冒頭で世宗と一緒に殺害された)だからです。(明扆は蕭家出身の蕭皇后の子)しかし当初は「自分は陛下に気に入られている」とうぬぼれていた只没が、最もプライドを傷つける方法で貶められるとは。内心で兄を見下し、耶律璟を侮っていたツケはあまりに大きなものでした。只没に系統の存続を託していた明扆の希望が打ち砕かれてしまったことになりますが、只没と安只のカップルに関してはあまり可哀想とは思えないのですよね…
この只没の件で明扆の計画が変更を余儀なくされ、おそらく計画の一部となっている明扆と燕燕との縁談がより現実味を帯び、燕燕と徳譲の恋の行方を大きく揺さぶってくるのではないでしょうか。父からも許され順風満帆に思えた自分たちの将来に、まだ暗雲がたちこめていることに燕燕は気付いていないでしょうけれども…
そしてその暗雲の到来に、虎視眈々と獲物が自分の手に落ちるのを待ち受ける李思…
彼女は100点満点の花嫁候補なのですが、「あなたのことが心配なの」と言いつつ、遠回しに全部「燕燕を諦めろ」と言っているという、猛烈に裏のあるキャラクターですよね。美しく穏やかで、何をやっても間違いのないお嬢さんなので、周囲は李思の持っている毒に気付かないのですが、徳譲には見えているのかな?
徳譲のことを語る時の燕燕の表情の曇りのなさに、思わず見ているこっちまで幸せな気持ちになりますが、二人の幸せはこの先どれほど続くのでしょうか…
次回、歴史が大きな転換点を迎えます。燕燕の運命を大きく動かすことになる動乱が、遼を激しく揺さぶることに。ここから事態は大きく動いてきますよ♪