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クルミットです♪
かつて述律太后が最も寵愛した息子・耶律李胡が謀反を起こし、失敗しました。暗君・耶律璟への不満は日に日に高まり、帝位の行方を左右する「后族の娘」である蕭家の三姉妹に皇族男子の思惑が渦巻くことに。
今回は蕭家の長女・胡輦と次女・烏骨里の運命が大きく動く回になります。天真爛漫な燕燕にもやがて政治の影が忍び寄り、三姉妹それぞれの選んだもの、選べなかったものが今後に大きく関わってきますので、しっかり見守っていきましょう♪
【燕雲台-The Legend of Empress-】(ネタバレあり)
第7話「揺らぐ兄弟の絆」
上京に戻って来た耶律璟は、李胡の関係者すべてに死刑を命じる。天牢に次々と罪人が収容されて行くのを見て、李胡は喜隱と烏骨里に今後を託し、皇位を掴むのだと言い聞かせる。天牢に罨撒葛が毒酒を持参し、李胡は喜隱の無事を確約して毒酒をあおる。喜隱と烏骨里は父との約束を果たすと誓い、泣き崩れる。
李胡が今後を託すのがこの喜隱っていうのが、悲劇しか感じないですよね…
罨撒葛の近侍の粘木袞は、喜隱と烏骨里の結婚で蕭思温が喜隱の側に回るのではと懸念する。罨撒葛は、むしろ自分と胡輦の婚姻を蕭思温に飲ませるため、喜隱たちの婚姻を利用しようと考えていた。そうとは知らない胡輦は、烏骨里の釈放に、罨撒葛が自分との約束を守ってくれたのだと思う。
喜隱より遠い人たちが沢山処刑されているのに、喜隱が許されたら色々恨みを買いそう
烏骨里と喜隱の釈放を聞いた明扆は、罨撒葛もまた蕭家の娘が目的かと察する。胡輦は烏骨里を引き取りに行くが、烏骨里は喜隱と共に帰ると言って聞かず、婚姻を申し込むと言う喜隱に胡輦は腹を立てる。蕭思温もまた喜隱だけは許さず、烏骨里の涙の懇願も聞き入れない。
烏骨里は、なぜ周囲が喜隱を許さないのか、ということをここで気付くべきなのですよね
燕燕は父の機嫌をとりながら徳譲についてさりげなく打診するが、蕭思温は「お前たちの嫁ぎ先は太祖の三支」とにべもない。しかし姉たちが皇族に嫁げば好きな相手に嫁げるかもしれないと言われ、燕燕は複雑な思いを抱く。
蕭思温はここでこんな思わせぶりを言ってしまってよかったのでしょうか?
韓匡嗣が燕王に封じられたことで、韓家では祝賀の準備が行われていた。韓匡嗣は暗君に寵愛され医術で王になるという事態を嘆くが、徳譲は父を励まし悪いことばかりではないと力づける。徳譲と明扆は、罨撒葛の密書も喜隱の釈放も、胡輦との婚姻が目的だと見抜き、耶律璟と罨撒葛の兄弟仲を離間させる計画を立てる。
明扆は虚弱でも、さすがに契丹の男子だけあって弓矢はちゃんとたしなむのですね♪
明扆は徳譲に燕燕について探りを入れるが、徳譲は燕燕への想いを伏せる。明扆は徳譲に「大業と愛とどちらかを選べと言われたらどちらを選ぶ?」と尋ね、徳譲は大業を優先すると断言する。二人にとってまず成さなければならない大業が目の前にあった。
明扆は燕燕のことが聞きたいのか、徳譲の本音を炙り出したいのか微妙ですね♪
明扆の意を受けた女里が耶律璟を訪ね、罨撒葛が胡輦のためにわざと喜隱を釈放した、という情報を注進する。耶律璟は、罨撒葛に杖刑20回と、近衛軍指揮使の解任を命じ、代わりに明扆を任じる。しかし徳譲は耶律璟が試しているのだと見て、辞退すべきだと忠告する。一方、罨撒葛の処分の話を聞き、胡輦は太平王府を訪ねることに。
耶律璟の試し行為の意図の深さを見ると、暗君だけど愚かではないのですよね…
罨撒葛は、弟の敵烈が見舞いとして連れてきた女の奴婢を侍らせていたが、そこに胡輦がやってきたため慌てて取り繕う。胡輦は薬を持って見舞いに来たのだった。
ドタバタする様子に、ちょっと罨撒葛がカワイイやつだと思ってしまいました…
第8話「揺るぎなき同盟」
罨撒葛は見舞いを喜び、懸命に口説くが、胡輦は「他に目的があるなら、私は真心を捧げられない」と冷たく返す。燕燕は胡輦が罨撒葛に会いに行っただけでなく、真珠の耳飾りを贈られたと知り問い詰めるが、胡輦は燕燕に本心を打ち明けられない。
選択の余地がない胡輦と自由気ままな燕燕、そりゃ胡輦は怒りたくもなりますよね…
喜隱は皇族の長老である屋質に「烏骨里を娶りたい」と支援を求める。屋質は喜隱が「蕭宰相と燕国長公主の娘」目当てなのではと疑うが、喜隱の熱意にほだされ、蕭家に代理で求婚に訪れる。烏骨里は大喜びするが、尊敬する長老に頼み込まれた蕭思温は困惑する。
蕭思温はあまりに簡単に外堀埋められすぎじゃないでしょうか
胡輦は罨撒葛の押しの強さに困惑しながらも、贈られた耳飾りを着けて受け入れる気持ちに傾きつつあった。そんな中、太平王府に突然耶律璟が訪れ、何事もなかったように胡輦との縁談を祝福し、明扆が辞退した近衛軍指揮使にも折を見て復職させるつもりだという。
耶律璟は罨撒葛が話し始めると秒でうんざり顔になるので、実は内心弟を嫌っている?
罨撒葛は胡輦との婚姻の許可を求めに蕭家を訪ねる。蕭思温は断ろうとするが、罨撒葛はすでに誓いの品を交わしたと、胡輦の母の形見の腕輪を見せる。胡輦は父に「烏骨里を救うために求婚を承諾したため、約束を守るため罨撒葛に嫁ぐ」という。蕭家に罨撒葛から沢山の結納品が届くが、胡輦は憂鬱さを隠せない。それを知らない烏骨里は、「姉上に負けないように」と喜隱をけしかけ、喜隱も恥をかくまいと結納に力を入れる。
胡輦はそれでいいのでしょうか。烏骨里と喜隱がバカップルすぎて呆れます…
明扆と只没は、宦官たちの雑談で罨撒葛と喜隱が宰相家の娘たちに婚姻を申し込んだことを知る。明扆は肖像画を描きながら燕燕に思いを募らせるが、根をつめたことで倒れてしまう。明扆は婚姻の影響で、蕭宰相が自分達との同盟を破棄するのではと心配するが、徳譲は「宰相は真に遼を案じているものに尽くす」となだめる。
明扆は寝落ちも命がけなのですね
蕭思温は燕燕の結婚相手として明扆を考慮していたが、そこにちょうど徳譲が密かに明扆を連れて来る。燕燕は徳譲に「父は私たちのことに反対しないみたい」と打ち明ける。
明扆は蕭思温に罨撒葛と喜隱と両方の縁談を受けるべきだと勧め、問題は自分たちの間に溝が生じることだと説く。徳譲が燕燕の後姿を見守るまなざしを見て、明扆は婆児に燕燕の肖像画を燃やせと命じるが、思い直して表装させることに。
明扆が諦めない決心をしてしまったようです。ヒロイン肖像画は大体不吉なフラグ♪
胡輦が眠れずに涙ぐんでいるのを見た蕭思温は、自分のせいで胡輦が結婚することになったことを詫びる。胡輦は自分の結婚で我が家を守れるなら悪くないと語るが、その二人の会話を燕燕が聞いていた…
胡輦はこんな風に色んなものを諦めてきたのでしょうか。それに引き換え烏骨里は…
第9話「姉妹たちの夜」
罨撒葛に嫁ぐ胡輦の覚悟と父の思いを聞いた燕燕は、烏骨里の部屋に怒鳴り込む。しかし烏骨里が「姉上も皇后の座が欲しいのよ」と言い放ったため、二人は大喧嘩に。燕燕は胡輦の結婚を思いとどまらせたいが、徳譲に後戻りはできないと諭される。結婚で姉妹の関係が変わることが悲しかった燕燕は、烏骨里と泣いて笑ってひとしきり言い合った後、二人一緒に眠ってしまう。胡輦も残り少ない姉妹の時を思い、その夜は三人で眠ることに。
なんだかんだいっても姉妹の絆は強いのですね。結婚後もその絆は変わらないのかな…
胡輦と烏骨里の婚姻当日、二人の花婿は同時に蕭家に到着し、蕭思温は二人の娘の幸せを願って送り出す。両組とも門前でご祝儀を配るが、罨撒葛の方の豪華な祝儀に人々が群がり、喜隱の方は見向きもされない。燕燕は二人の姉たちを見送ってそれぞれの幸せを祈る。
なぜ同じ日に婚儀を決めたのでしょう。こんな張り合いは禍根を残すだけなのに
太平王府には皇族と后族のほとんどが顔を揃え、賑やかに祝宴が催されて罨撒葛は満足げだが、趙王府には誰一人顔を見せず、喜隱は愕然とする。烏骨里は表の実情を知らされるが、それでも優しく振舞う喜隱にさらに想いを強くする。胡輦は望まない婚姻ながら、自分を必要としてくれている罨撒葛を受け入れることに。
喜隱は、こんなことで勝ち負けがつくわけでもないのに、無駄なことをしましたね…
燕燕は徳譲に、姉たちの婚姻に対しての悲しく悔しいやりきれない思いを打ち明ける。暗君のせいで自分の未来すら好きに選べない現実に燕燕は憤り、これからどうなるのか問うが、徳譲は「自分自身で考えてこそ答えが出る」と言う。考えをめぐらした燕燕は、徳譲や父がすでに未来を変えるために計画中なのではと気付く。
燕燕は父の計画の中で、姉たちが彼らと結婚する意味も気付いてしまったのですね
明扆は蕭思温の屋敷の前で、燕燕が出てくるのを待ち続け、出てきた燕燕をつけていくが、燕燕に気付かれる。燕燕は明扆が「咳の若君」だと思い出し、彼が皇子賢だと知る。燕燕は明扆に姉たちの結婚のことで気がふさいでいると愚痴る。
一方、罨撒葛の豪華な婚姻に刺激を受けた只没は、蕭思温に燕燕との縁談を打診し、あからさまに野心を見せて断られる。それを只没に想いを寄せる安只が見ていた…
世宗の2人の息子は揃って粘着質ですね。蕭思温に秒で見限られた只没、焦りすぎ♪
7~9話の感想
「后族」と言われてもいまひとつピンとこなかったのですが、遼の皇帝は代々蕭氏から皇后が立てられているのを見ると、本当にそういう目的のための家なのですね。例外は初代の太祖の述律皇后と、冒頭で暗殺された世宗の漢人皇后・甄氏です。中には蕭氏の妃嬪を複数迎えている皇帝もいたりするので、蕭一族の中でも皇后争いがあったりしたのだろうとか、皇帝と年齢がマッチしない娘を産んだ蕭家とか、息子しか産まれない蕭家は色々大変なのだろうかと想像してしまいます。本作に一切その姿は出てきませんが、当然ながら耶律璟にもちゃんと皇后はいて、彼女も蕭氏です。あんな皇帝なので、皇后としては子を産むなど到底無理で、日々生きていられるだけでラッキーなのかもしれません。
そんな蕭家で北府宰相の娘として産まれた三姉妹は、本人たちの意志とは関係なく、生まれつき重いものを背負っていることになります。蕭家の娘を娶れたら皇帝後継者レースに名乗りを上げることになり、磨魯古が幼い燕燕に求婚をかけて組手を挑んでいたのも、好きとか嫌いとかの他に高度に政治的な話になっていくわけですね。
7話で蕭思温が「姉たちが皇族に嫁げば好きな相手に嫁げるかも」と思わせぶりなことを言っていた時点では、まだ蕭家と燕燕には選択の余地があったわけですが、胡輦と烏骨里が太祖の三支のうち二つに嫁ぐのが決定した時点で、「姉たちが皇族に嫁げば」という前提条件が達成されたように見えて、実は完全に狂いが生じてしまいました。政治的にバランスを取るため、そして自分達の計画が達成された時の保険として、燕燕の結婚相手として徳譲を、という選択肢はハイ消えた~という状態になってしまったのです。燕燕と徳譲は、まだそのことに全く気付いていないわけですが、二人がその枷にどう抗っていくのかが今後の課題になっていくのでしょうか。
しかし、お年頃の耶律の男たちって結構ろくでもない… 喜隱は普通にダメ男だし、只没はチャラいし、明扆はいい人だけど虚弱だし、磨魯古は脳筋だし。罨撒葛がまだしもマシに見えますが、さすが耶律璟の弟だけあってものすごく腹黒です♪ 烏骨里は自ら飛び込んだ結婚ですから自業自得ですが、胡輦は色んなことを犠牲にしての結婚なので、絶対に幸せになって欲しいです。胡輦は実際のところ、徳譲にちょっと気持ちがあったのではないかと思うのですよね。でもその気持ちを抑えているうちに燕燕がかっさらい、罨撒葛に狙われてしまったという…
本当に胡輦には、この結婚で幸せをつかむよう願わずにはいられません。