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クルミットです♪
追放された李司飾の代わりの髪結いを妃たちの推薦する者に競わせますが、最も優秀な董秋和が、張茂則の伝手で宮中に入ったと知り、趙禎は曹丹姝の影を疑いわざとはずすことに。張茂則が趙禎の信を失ったことが結果を歪め、思わぬ形で影響を及ぼします。
張妼晗は曹丹姝に露骨に対抗し、宮中での存在感を強めていきます。ようやく趙禎は自分の思う改革を実践していくのですが、後宮の争いが背後で官吏たちの関係に影を落とすことになっていくので、静かに泥沼が進行していくのがじんわり恐怖を誘いますよ♪
【孤城閉-こじょうへい】(ネタバレあり)
第31話「尊敬の本質」
趙禎は曹丹姝と気まずくなって帰り、隠れていた徽柔は曹丹姝の悲しみを察し寄り添う。趙禎は張茂則のことを念頭に鐐子に語りかける。皆が自分をどう見ているのか、時折わからなくなるが、思うだけなら罪にならず、過ちを犯さない限り安泰なのだと言う。
鐐子は相当に肝が冷える場面ですよね、これは何も言えない…
趙宗実と高滔滔の婚姻について聞いた徽柔が「皇后さまのような婚姻なら、宗実兄さんを独り占めしたい滔滔姉さんは嫌がる」と言うので、兪氏は「滔滔は宗実に他の女子を娶らせぬかも」と笑いつつ、苗心禾に世継ぎ候補が産まれて皆ほっとしているのだと本音を漏らす。
張妼晗に皇子が産まれたら、色々とんでもないことになりそうで頭が痛いですよね~
徽柔は梁懐吉に「ある人が別の人に
尊敬する
と言ったら、それは相手を好きではないという意味で、会いたくないってこと」だと言う。それは趙禎と曹丹姝の間のことで、徽柔は一番の親友である梁懐吉にだけ打ち明けたのだ。梁懐吉は「憶測はよくない」とたしなめるが、徽柔は、曹丹姝も宮中の者たちも幸せではないことに気付いてしまった、と言う。
幼い徽柔や梁懐吉ですら理解していることが、肝心の趙禎にわからないのが大問題です
韓琦は帰京してすぐに呼び出され、好水川の戦いについて趙禎は「武功への渇望を抑えられない自分の期待に皆が応えようとして惨禍が起きた」と諭す。これまで冗官削減に反対の呂夷簡が「民を納得させるには聖人の言をもってすベし、奸臣を退け公正なものを登用せよ」との進言の書を残したことから、趙禎は范仲淹、韓琦、富弼に改革を任せる決断を下す。
呂夷簡が改革の背中を押す役割になるというのが、なんとも不思議な気がします
曹丹姝は妃嬪や重臣の妻たちを集め、聞香の集いを開催する。各妃が選んだ尚服局の香官に調合させた練香から「独特非凡心を静め、最も安価」な香りを選出するのだ。修媛となった張妼晗は欠席のはずが後から姿を現し、「陛下のお気に入りの香」を持参したと言う。
女同士の火花が見えるよう。張妼晗がいちいち突っかかっている感じがコワイです
范仲淹は朝議の場で「官吏制度の改革」を訴え、官吏の評価の明確化と科挙制度の改革の二点を訴える。范仲淹らが復帰した朝議に手ごたえを感じた趙禎は、「綱紀を引き締めるためにも変化が必要だ」と、祖法の改革に意欲を見せる。
趙禎はやる気満々ですが、果たして順調に進んでいくのでしょうか?
聞香の投票の結果、許静奴の閣中香と、董秋和の酔江寒が同票だったが、材料費を抑えた閣中香が勝者となる。許静奴は得意満面で褒美の香具を受け取るが、転んで壊してしまう。張妼晗は20回の杖刑を命じ、曹丹姝が不問にしても聞き入れない。そこで徽柔が「許静奴は尚服局司飾司の女官なので、張修媛が罰を与えるのは規則に背く」と訴え、曹丹姝は「正論だが礼を欠く」と徽柔を張妼晗に謝罪させるが、張妼晗は謝罪を拒絶して退場する。
会を引っ掻き回すのが目的だったのでしょうか、強烈な「張妼晗劇場」でしたね♪
兪氏はこの騒動を「張妼晗が許静奴に命じてやらせた嫌がらせ」だと見ていたが、苗心禾は張妼晗の表情を観察していたことから、許静奴が張妼晗に取り入る目的でわざと転んだが、遠回しに「皇后さまの言葉には誰も逆らえない」と言ってしまい、張妼晗の怒りを買ったのだと推測する。張妼晗は名家の者たちを味方に引き入れ力を持つようになったため、彼女から子供たちを守るために考えた闘わなければいけない現状に、苗心禾は不安を抱く。
史実だと兪氏は長男の皇子を産んだものの夭折しています。立場が不安定ですよね
趙禎は范仲淹の提言を読み返し「卓見だ」と感心し、思わず「丹姝」と語りかけようとするが、側にいるのが梁懐吉だと気付き、坤寧殿にその書を届けるように言い、散歩に出ていく。入れ違いで徽柔が趙禎を訪ねてくるが、不在と知って、梁懐吉と共に坤寧殿に向かうことに。
この気まずさ、「笑ってはいけない宮中」ですね
趙禎は散歩の途中右、泣いている董秋和を見かけて声をかけると、董秋和は「勝つと思っていた勝負に負けて、己に腹が立っていた」と答える。髪結いの勝負では負けたと思っておらず、負けた理由を尋ねられた趙禎は「訳あって別のものを選んだ」と説明する。
董秋和が「その訳とは?」と突っ込んで聞かなくてよかったですね~
坤寧殿への道すがら、梁懐吉は徽柔から「父上はなぜ無礼な張氏を好み、皇后さまを嫌うの?」と尋ねられ「陛下が皇后様をお嫌いなら、朝廷での喜事を分かち合いません」と答え、勝手を許しているのは「愛しておられるから」と説明する。徽柔は別れ際に「以前は夜が怖かったが、今は懐吉に守られているから好き」と言い、思わず梁懐吉は笑みがこぼれる。
徽柔と梁懐吉の微笑ましい関係が、このままいつまでも壊れないことを祈ります…
趙禎は董秋和が聞香の集いでの事情を知り、「閣中香は他と異なる所がよい」と語る。許静奴が破損した香具は貴重な名人の品で、董秋和は自分の力不足ゆえに、その価値を知らぬ者の手に落ちたのが残念なのだと言う。趙禎は董秋和が過去の学びから離れられないのではと指摘し、張妼晗はこだわりがない分、新奇な香を作り出せると説明し、董秋和も腑に落ちる。趙禎はこれまでの不公平を認め、董秋和が望む時に望むものを褒美とすると決める…
この「褒美」が、一体いつ発動して誰かを救うことになるのでしょうか
第32話「恐れを知らない2人」
宮学では皇族の子弟が退屈そうに講義を受けていたが、石介は突然「時の政を称える頌詞の書き方を説明しよう」と言い出す。徽柔は父が賞賛されている文だと思い、それを書き写す。
これが後で出てくる「慶暦聖徳頌」になります
張妼晗は夏竦を非難する欧陽修を偽善者と非難する。聞香の会で知り合った王拱辰の夫人・薛氏(薛玉湖)に、姉の欧陽修夫人(薛幼渓)と不仲の理由を聞いたところ、薛玉湖は庶出だから見下されていることと、欧陽修が皆の前で夫を侮辱したことが原因だという。賈玉蘭は、高官の夫人たちと交流を広げれば「宮中の内外で皇后様と肩を並べられる」と煽る。
これまであまり味方がいなかった張妼晗ですが、次第に力をつけてきたようです
徽柔は曹丹姝に、石介の「頌詞」を見せるが、韓琦と范仲淹を賛美し、夏竦を悪人とする内容だった。徽柔が「夏竦も賈玉蘭も張氏も悪人で大嫌い」と言い放ったため、曹丹姝は「母上のように徽柔を守るために怯えている人もいる」ときつく言い聞かせる。
石介の頌詞が思わぬ方向に影響を及ぼしてしまいそうです
欧陽修の弾劾で左遷になった夏竦は、側室たちを都に置いていくことになり、連れて行ってと縋られたため「ついてくるなら荷物はひとつだが、残るなら屋敷の物を何でも持って行っていい」と言い、恩に報いるなら、酒楼の歌女や踊り子に、欧陽修の裏話を流せと言う。
夏竦側室多すぎ! 夏竦は負け戦からの戦い方を知っている策士なのですね
趙禎が「都の有名菜館の料理全集」を印刷して売れば1000冊でも売れるのではないかと考えていたところに曹丹姝が訪れる。珍しい来訪に舞い上がった趙禎は、酒を酌み交わし印刷への展望を熱く語うちに酔いつぶれ、曹丹姝に甘えるように抱きよせる。
アラサー夫婦なのに酒の力を借りないと床入りにこぎつけられないなんて…
張茂則は夏竦と密会する賈玉蘭を尾行していた。賈玉蘭は夏竦に頼まれて金品を隠し、張妼晗の恩情で左遷前に会う機会を作ってもらったのだ。夏竦は石介の「慶暦聖徳頌」で賞賛されている者たちが自分の政敵だと意気込むが、賈玉蘭のことは巻き込みたくない。
この酸いも甘いもかみ分けたはずの中年カップルの逡巡、嫌いではないです
趙禎は曹丹姝と添い寝しながら西夏対策について語り続け、狄青の餓死策に同意したことを内心では悔いていたが、曹丹姝が理解したことで安堵する。「何かを成し遂げたら、真っ先にそなたに伝えたい。仕損じたら恐怖に震えながらもそなたを思っている」と言われ、曹丹姝は喜ぶが、「幼少の頃に戻って太后といる感覚だ」と言われ複雑な気持ちに。
なぜ曹丹姝相手だと趙禎は失敗を繰り返してしまうのでしょう…疑似太后だから?
鐐子は趙禎から釘を刺されて以来、自分たちの置かれた立場に不安を感じており、賈玉蘭と夏竦の密売の証拠を使って罪に問えないかと考えるが、張茂則はそれが可能なら陛下はそもそも賈玉蘭を宮中には戻していないと答え、「どちらが我慢できず先に大逆の罪を犯すか」だと諭す。焦って敵失を暴くのは、逆に相手を助けることになるのだ。
張茂則はじっと我慢の雌伏の時で、密かに確実な証拠を積み上げているのですね
翌朝二日酔いの趙禎に、曹丹姝は昨夜相談するはずだった件を持ち出す。徽柔は7歳なので、宮学で皇族の男子と机を並べるのは良くないと、徽柔が政を批判して下心を持つ者に利用されかねないとの不安を汲んで、今後は徽柔のことは曹丹姝に任せることにする。
曹丹姝は自由に書院で男子に交じって学んだのに~と徽柔に言われそうです
趙禎は二府の重臣を率い、先帝の書画などを保管するために建設した天章閣を公開する。そこで范仲淹に改革案を提出させ、冗官の淘汰と科挙の見直しに着手する。その第一歩を趙禎は上機嫌で曹丹姝に報告し、かつて曹丹姝は地方の書院で「文章は道理の記述」と教わったが、科挙では昔のまま文章の流麗さが重視されるのは、趙禎が17歳当時晏殊の提案を受けて地方に有能な人材を送り込んだためで、長年の布石でようやく科挙の改革に着手することができたのだ。曹丹姝は名師に巡り合えたのは趙禎の恩恵と知り、趙禎も自分の布石で賢后を娶れたのだと賞賛する。
ようやくやりたいことが色々やれるようになって、趙禎は自信に満ち溢れていますね
第四公主・瑶瑶(張妼晗の娘)は、御花園で賈玉蘭と遊んでいたが、突然倒れ、息が止まる。側仕えの宮女が近くにいた董秋和に助けを求めたため、急いで駆け付けることに。
またこんなことが起こると、張妼晗が呪いだの言い出しそう…
趙禎と曹丹姝のもとに、徽柔が宮学に通えなくなった理由を尋ねてくる。「徽柔がお姉さんだから」と言われても納得できず、曹丹姝が書院で学んでいたことを持ち出したため、曹丹姝は徽柔がこれまで学んだ内容の習熟度を問いただし、反論を封じて納得させる。
曹丹姝のダブスタにつっこめない趙禎、徽柔の直球を曹丹姝が完全に打ち返しました
第33話「危うい幼き生命」
張妼晗は現在懐妊中のため、賈玉蘭は気を静めさせるのがやっとだった。瑶瑶は一命をとりとめたものの、全快は難しいと聞いた張妼晗が逆上したため、董秋和は「公主が驚いて咳き込めばお命が危ない」と張妼晗をなだめる。董秋和が的確に瑶瑶を危機から救ったと聞いて、張妼晗は真意を疑いつつも褒美を与え、董秋和は仕える者に注意を促すべきだと助言する。
瑶瑶はアレルギー性の喘息ということなのでしょうか
趙禎は徽柔の求めに折れようとするが、曹丹姝は徽柔の率直さが改革の妨げになることを恐れる。改革の影響がまず徽柔に出たことで、徽柔が国の責任を負わなければいけないことを趙禎が嘆いたため、曹丹姝は跪いて皇后としての過ちに罰を求め「婚姻の夜以来私は国母でしかなく、妻として見られたことはない、国母としてふさわしい行いをするしかない」と訴えたため趙禎は激怒する。そこに賈玉蘭が瑶瑶の非常事態で趙禎を呼びに来る。
この場面でも100%曹丹姝が正しいからこそ、趙禎は怒るしかないわけですよね~
董秋和は御薬院を訪ね、瑶瑶の症状は董秋和自身も患っている花粉の喘息に酷似しており、最も症状が重いのは春夏の境目なのに秋口の今なぜ発作が起きたのかと侍医に尋ねる。侍医も同じ疑問を持っていたが、御花園に他の原因があるのではないかとして、これ以上深入りするなと釘を刺す。董秋和は瑶瑶の涎を拭いていた手巾を嗅ぐと、咳の発作が起こる…
梶の花は5~6月に咲くので発作は春夏だそうです。花粉をとっておいたのでしょうか
趙禎は不安を訴える張妼晗をなだめようと、毎日必ず来ると約束する。そこで張妼晗は、自分を降格してくれと言い出す。身に余る寵愛で玥児を失い瑶瑶を危険に晒したため、位が下がれば妬みが減るだろうというのだ。その一途な愛情を趙禎は愛しく思い抱きしめる。
この降格は賈玉蘭が演出したのでは。逆に昇格を考えるよう仕向けていますよね
賈玉蘭は手巾の件を董秋和から聞き、許蘭苕の仕業だと見て怒鳴りこむ。許蘭苕は衣に火熨斗をかけ香で燻す役目のため、それを利用して手巾に梶の花粉を仕込み、張妼晗の部屋の外にも梶を植えたのだ。許蘭苕は犯行を認めながらも、賈玉蘭が張妼晗の前に引き出さないのは火種が及ぶことを恐れたのだろうと脅す。今回の件は楊懐敏も知らないことで、三人と夏竦は程度の差こそあれ、張妼晗を利用してのし上がろうとする同じ穴の狢だったが、楊懐敏は賈玉蘭の悪事をすべて知っていると脅し、許蘭苕にこれ以上害がないよう庇う。
賈玉蘭の後ろ暗さが許蘭苕の罪を隠したことを、張妼晗が知ったらどうなるでしょうか
暗記に苦戦していた徽柔は、梁懐吉にからかわれて苛立ち、皆に嫌われたのだと泣き出す。梁懐吉は「仙女のように美しい」「皆に愛され、私も大好きで一生お仕えしたい」と慰め、趙禎の命で毎日勉強を見に来ることを知らせたため、宮学よりもいいと徽柔は大喜びする。
趙禎は徽柔に激甘ですね!梁懐吉は徽柔の有能な猛獣使いなのかもしれません
蘇舜欽は趙禎の命で科挙の合格基準を練り直し、宰相になった晏殊に提出する。章得象は、范仲淹が二か月足らずで大過のない100余名の冗官削減の罷免を行ったことを嘆く。晏殊は「理由あって罰を猶予していたが反省のない者たち」と指摘し、蘇舜欽は「彼らはもとより血税をもらう資格がなかったのだ」と答える。それを聞いていた賈昌朝は「自分と同じ有能な者しか見えていない、苦学した状元の気持ちなどわからない」と蘇舜欽を批判する。
苦学の進士からすれば、蘇舜欽は鼻持ちならないエリートという感じなのかも…
通りかかった王拱辰は「状元」と聞き、また自分を笑い者にと食ってかかるが、蘇舜欽はそんな昔話はとうに忘れたと話を打ち切る。王拱辰は晏殊に、罷免された中年の県令が老母と幼子5人を残し自害したため、罷免官吏たちが酷政を止めるよう求めているのだという。
王拱辰はノイローゼ寸前? 改革の反動が確実に大きな揺れを引き起こしそうです
薛玉湖は張妼晗に、「夫(王拱辰)が前妻(姉・薛清如)の服喪中に自分を娶った話が都中で芝居になっている」と泣きつく。王拱辰の下人が「前妻の妊娠中に義妹を見初めたため、前妻を死に追いやり娶った」との噂をしていたため、役人に突き出したという。思いつめる薛玉湖に、張妼晗は「10倍にしてやり返せ」と煽り、賈玉蘭は「噂の発端になった欧陽修の淫らな内容や野心の透けて見える詩を王拱辰に弾劾させては」と入れ知恵する。
この場面、賈玉蘭が火熨斗を任せられなくなったので自分でかけているのが細かい♪
宮中では重陽節の宴が行われる。出会った頃は独身だった韓琦だが、娘が幼い頃に同期の文彦博の長子と婚約しており、その長子が来年省試で合格したら婚姻するというので、若き才人たちの成長に趙禎は感慨深い。しかし宋は外戚に実権を与えないため、徽柔が実権ある者に嫁ぎたいと考えた場合階位を手放さざるを得ず、若者の前途を潰すことになると悩む。
韓琦がいつの間にか年頃の娘を持つ父親になっていたとは!
曹丹姝は董秋和に、崔白が描いた董秋和を描いた絵は大人気で、その着こなしや化粧、酔江寒の香り玉も大流行だと語るが、その一方で崔白が董秋和宛てに絵を贈ってきたため、董秋和に宮中を出たいかと尋ねる。尚服局の楚尚服が病で退職予定のため、もし董秋和が尚服になれば宮中から永遠に出られないかもしれないのだ。
董秋和は宋のインフルエンサーなのですね♪この曹丹姝の恩情を趙禎に知って欲しい…
徽柔は「抱っこさせて」と瑶瑶に近寄るが、宮女たちは張妼晗の命があり拒否する。徽柔は一番の宝物を妹にあげようと、父からもらった真珠と曹丹姝からもらった玉、母の刺繍した袋の首飾りをかけてあげようとする。しかし張妼晗がそれを投げ捨て、徽柔に「次は瑶瑶を殺そうとするの?」と詰め寄り手を上げようとする。そこに通りかかった趙禎に張妼晗は「誰かが瑶瑶に毒を盛った」と訴えたため、趙禎は徽柔の話も聞かずに叱りつける。
徽柔は父の真珠だけをその場に捨てましたね。これは趙禎、やってしまいましたね~
31~33話の感想
張妼晗に薛玉湖が取り入り、欧陽修を陥れようとしていましたが、そうなる流れを理解するには、5話での科挙の状元決定と、薛家の娘たちの立ち位置を思い出す必要があります。そもそも王拱辰と欧陽修の不幸な関係は、王拱辰が状元袍を着て運を奪い、自分こそはと思っていた欧陽修の自尊心を打ち砕いたことから始まりました。状元に浮かれて薛奎の婿になった王拱辰に対し、昔からの許婚を選んだ欧陽修という構図があって、そこから二人とも妻に先立たれて各々薛奎の娘を後添えに娶ったのですが、欧陽修が娶ったのは正妻の娘・薛幼渓(薛奎の四女)で、王拱辰が娶ったのは側室の娘・薛玉湖(薛奎の五女)だったのです。この些細な出来事の積み重ねが二組の夫婦の対立構図を生み出す原因となっています。
そこにもともと薛幼渓は曹丹姝と仲が良かった関係性(5話)があった上に、10話で欧陽修が酔って口にした「お古の婿を新品にする」との王拱辰への酷い侮辱が二組の溝を決定的にして、薛玉湖を反皇后で張妼晗に接近させるきっかけになったのですね。33話で王拱辰が蘇舜欽に食って掛かっていたのも、その侮辱が蘇舜欽宅の宴で起こったということと、蘇舜欽の妻・杜有蘅が曹丹姝の親友という構図があるわけです。
呂夷簡という旧勢力が去り、ようやく趙禎が改革に向けて一歩を踏み出したところで、朝廷の中は一枚岩ではなく、改革に反対というより、改革をしている顔ぶれを引きずり下ろしたいという思惑で、後宮を巻き込んだ政争が一層激化することになっていきそうです。
そしてこれまでは最強のパパっ子だった徽柔が、次第に人間関係を理解するようになって、なぜ父が、自分を敵視し周囲をかき乱す我儘な張妼晗を寵愛するのか、という問題に直面するのですが、こればかりは理屈じゃないですからね…。なぜ曹丹姝を寵愛せずに傷つけるのかという問題は、趙禎や曹丹姝もその答えを知りたいのではないでしょうか。この趙禎の私生活のポンコツさが、徽柔の将来に大きく影響を与えることになるのです…